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フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化14 2.2.2 4つのプレーオプション+個人プレー


ダイヤモンドの形にプレーヤー間で適切な距離(15mー20m)を取ることをスペインサッカーコーチングコース・レベル3の科目の一つである「集団プレー」のクラスの先生であったセサル・フラッタロラから講義を通じて学んだ。

ダイヤモンドの形にプレーヤー間でポジションを取るということは「ボール保持者に4つのプレーオプションと個人プレー(5つのプレーオプション)」を提供することを意味する。

私はセサルの「集団プレー」の講義中に、この集団コンセプトを、フットボールのダイヤモンド・オフェンスに適応させることを思いついたのだ。

集団プレーのコンセプトを定義したアレックス・サンスとセサル・フラッタロラ(2009)は「ボール保持者のプレーの優先順位」をこのように定義している:

ボール保持者のプレーの優先順位

1. 深い縦パス
ボール保持者の優先目的は、深い位置で優位性を獲得しているチームメートがいる場合、深い縦パスをチームメートに渡すことである。
2. 深い斜めのパス
ボール保持者の優先目的は、深い位置で優位性を獲得しているチームメートがいる場合、深い縦パスをチームメートに渡すことである。
3. 前進(コンドゥクシオン:スペースヘ運ぶドリブル)
前にオープンスペースがあるときはコンドゥクシオンで前進し、相手のプレッシャーを受ける前に次のアクションを実行する。
4. 横パス(サイドチェンジ)
オープンゾーンでフリーなチームメートを探すには、横パス(サイドチェンジ)を実行する。
5. バックパス(安全なパス)
ボール保持者は後ろのラインにいるチームメートにバックパス(リスク回避のパス)を実行し、新しい攻撃の局面を開始するためのボールポゼッションを保証する。

図20:ボール保持者のプレーの優先順位

アレックス・サンスとセサル・フラッタロラ(2017)が提案した、集団プレーの「ライン間(例 MFラインとDFライン)のバランス」を維持するための指示が、試合中、ダイヤモンドの形に、常にボール保持者に対して「5つのプレーオプション」を提供するためのプレーヤーのポジショニングの指示として適していると考える:

各ラインのプレーヤーは、ボールが位置するラインのチームメートに対して斜めの位置を保つ。次に、ボールが位置するライン(例:MFライン)の前後2つのライン(例:FWラインとDFライン)のプレーヤーは、縦の関係になる。

図21:ライン間のバランスを維持することにより常にダイヤモンドが形成される

例)ピボーテがボール保持者の場合:

・各ラインのプレーヤー(左右MFラインと左右CBライン)は、ボールが位置するラインのチームメートに対して斜めの位置を保つ。

・ボールが位置するライン(左右SBとピボーテのライン)の前後2つのライン(左右MFラインと左右CBライン)のプレーヤーは、縦の関係になる。

このように考えると、左MFがボールを保持し、例えば左WGが相手ディフェンスラインの背後で縦のスルーパスを左MFから受けるとした時に、左SBは前に上がって左WGが空けたスペースを埋めることになる。このようにして、ライン間のバランスを維持することで、必然的にダイヤモンドが形成され、ボール保持者に5つのプレーオプションを提供することが可能になると考える。


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