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フットボールのダイヤモンド・オフェンス

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スペインサッカーコーチングコース・レベル3(S級相当)の卒業論文として書いたものを日本語に訳し、加筆したものである。ダイヤモンド・オフェンスはファイナルゾーンを攻略する攻撃方法論… もっと読む
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2018年6月の記事一覧

フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化 16  2.2.4 パスのアングル・オプション

フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化 16  2.2.4 パスのアングル・オプション

2.2.4 パスのアングル・オプション(視野と周辺視野)「内側レーン」から「セットオフェンス」を開始することが重要であると考える。なぜなら、ボール保持者が「内側レーン」でボールを保持することが、ボール保持者の「視野および周辺視野」においていくつかの利点があるからだ。

なぜ、「内側レーン」から「セットオフェンス」を開始するのか?

「内側レーン」から「セットオフェンス」を開始する効果の1つとして、

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フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化15  2.2.3 どのようにファイナルゾーンのプレーを最適化するのか?

フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化15  2.2.3 どのようにファイナルゾーンのプレーを最適化するのか?

2.2.3 どのようにファイナルゾーンのプレーを最適化するのか?フットボールのダイヤモンド・オフェンスはセットオフェンス・メソッドの一つである。テックス・ウインター(2007)はセットオフェンスについてこのように説明している:

セットオフェンスのおもな目的は適切な得点チャンスを生み出すことであり、これはすべてのオフェンスの基本的な目的でもある。この目的を達成するためにはいろいろな方法があるが、す

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フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化14  2.2.2  4つのプレーオプション+個人プレー

フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化14  2.2.2  4つのプレーオプション+個人プレー

ダイヤモンドの形にプレーヤー間で適切な距離(15mー20m)を取ることをスペインサッカーコーチングコース・レベル3の科目の一つである「集団プレー」のクラスの先生であったセサル・フラッタロラから講義を通じて学んだ。

ダイヤモンドの形にプレーヤー間でポジションを取るということは「ボール保持者に4つのプレーオプションと個人プレー(5つのプレーオプション)」を提供することを意味する。

私はセサルの「集

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フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化13  2.2 ダイヤモンド・オフェンスとは何か?

フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化13  2.2 ダイヤモンド・オフェンスとは何か?

2.2.1 ダイヤモンド・オフェンスを説明するために使用する5レーンのグラウンドペップ・グアルディオラがチームのトレーニング時に使用していると言われている、縦に5つのレーンに分かれた「5レーン」のグラウンドがある。その「5レーン」のグラウンドを使ってフットボールのダイヤモンド・オフェンスを説明するが、その前に「5レーン」とは何かについて説明する。

図8:ペップ・グアルディオラのチームがトレーニン

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フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化12 2.1.8 即興プレー

フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化12 2.1.8 即興プレー

2.1.8 どのように即興プレーを創造するのか?プレーヤーは、どのようにして多くのプレー記憶(プレーオプション)を持つことができるようになるのであろうか?才能?
もちろん、才能は非常に大切な要素の一つではあると思うが、多くのプレーヤーは学習と記憶を通じて、様々なプレー記憶(プレーオプション)を習得するのだと考える。

再現的世界と情報創成の世界:
脳の記憶には2つの世界がある。1つは「再現的世界」

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