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出産という『転機』の乗り越え方

こんにちは!さかもとです。
前回は、妊娠生活を少しだけ振り返ってみました。(以下前回記事。noteの使い方にまだ慣れておらず、記事のリンクを貼るのにもてんやわんやです^^;)

今回は、人生にとって大きな『転機』と言える妊娠出産について、キャリア理論と照らし合わせて振り返ってみます。

というのも、私自身本業がキャリア支援ということもあって、自身について振り返ってみるのも面白いかなと思ったからです。キャリア理論は本当に色々なものがありますが、今回はそのうちの一つ、シュロスバーグが提唱するトランジション(転機・転換)に関する理論を取り上げてみます。

シュロスバーグの理論とは

キャリア(※)とは、転機の連続からなるもの。そうした転機のプロセスを理解し上手く対処することが、キャリアを育む上で大切であるとシュロスバーグは述べています。(※またいつか記事で触れようと思いますが、ここでいう「キャリア」とは仕事に限ったものではなく、私生活も含む「人生全体」のことをさします。)

妊娠出産に限らずともわたしたちは転機を避けては通れないですし、まして変化の激しい時代ではなおさら転機が訪れる頻度は多くなりそうですよね。シュロスバーグの提唱する考え・フレームは知っておくと、転機に対する考えや対処法がちょっと変わるかもしれません。

転機の際に起こる4つの変化

転機の際は、以下のような変化が1つ以上起こると言います。

①役割:失ったり、大きく変化する
②人間関係:強まったり、弱まったりする
③日常生活:何を、いつ、どのように行うか
④考え方:自分に対する認知

出産前後の出来事を転機として、振り返ってみます。

まず役割について。「(両親にとっての)子」「(夫にとっての)妻」といった役割に加えて、新しく「(子にとっての)母」という新しい役割が増えました。それによって、両親の見え方や両親にたいする気持ちが変化しました。

次に人間関係について。立ち会い出産だったこともあり、夫との絆は深まったように思います。逆に出産前後はなかなか外出ができず、友人や仕事関係の人と合う機会が減り、社会から阻害されてしまったような気持ちになることもしばしばでした(正直、これはとてもつらかった…!)。

日常生活について。これはもう、出産前後ではまるっきり変わりました。特に出産直後は授乳、家事、授乳…と自分の時間なんてどこへやらで、気づけば一日が終わるという生活。毎日同じことの繰り返しで、「今日は何もできなかった…」という気持ちになることもしばしばでした。

考え方について。自分に対する認知は、「自分て社会から必要とされてるのかな…」と何だかひとまわり自分が小さくなったように思える日もあれば、「やればできるじゃないか!」と思える日もあって、日々変わっている気もします。一言では表現できませんが、もう少し時間がたったら何か気づくかもしれません。

(・・・「1つ以上」変化があるどころか、4項目全部変わっていますね!なんだか振り返りながら、改めて出産て大きな転機なんだなと実感しました。それはストレスフルだったわけです。笑)

リソースの確認ー4つのS

転機の渦中にいる時は、普段なら見えるものが見えなくなったりするものです。そんな時こそ、今の状況を乗り切るために必要なリソース(資源)の確認が大事であり、以下の4つの観点から確認するとよいとシュロスバーグはいいます。

①状況(Situation):原因、予期、期間、体験、ストレス、認知 等
②自己(Self):変化への対応、自信、人生の意義 等
③支援(Support):よき人間関係、励まし、情報、実質的援助 等
④戦略(Strategy):状況を変える、認知・意味を変える、ストレスを解消する 等

出産当日のことを転機と捉えた時に、4Sはどのように活用できるかを、以下で振り返ってみます。

状況(Situation)としては、出産自体は予期が可能なものであり、期間も大体24時間ほどと終わりがあると分かっていたものの、とにかくはじめての経験だったため不安だらけでした。

ただ自己(Self)の観点からみると、出産そのもの(陣痛ってどんな痛みだろう!とか)への興味もあり、大変なことも前向きに乗り越えられる自信がありました。それはもしかしたら私自身が、「楽しい家庭を築く」という意義を、人生に見出していたからかもしれません。(前向きに、とは言っても、実際陣痛最中は必死でしたが…!)

支援(Support)の面では、本当にまわりの人に助けられたなと思います。家族はもちろん、看護師さん・お医者さんの声がけがなければ乗り切れなかったです。あとは情報という点では、陣痛を乗り越えるための事前知識も役立ちました。

最後に、戦略(Strategy)。当たり前ですが誰にも代わってもらえないので状況を変えるということは出来ませんでしたが笑、陣痛時は「痛みも今のうちだけだ!これを乗り越えれば赤ちゃんに会える・・・!」と何度も自分に言い聞かせていました。

(4Sの点検は、本来は転機を乗り切るために転機の最中に行うものですが、今回は振り返りのため事後点検となりました。ただ振り返ってみると、点検前と比べるとだいぶ客観的に状況が見えてきた気がします。渦中にいるときこそ、適切な対応するために状況の客観視する必要があると思うので、そんなときに使える実践的なフレームだなと再認識しました)

具体的戦略を考える

自分自身が使えるリソースを点検したあとは、それらを用いてどう転機に対応するかを考えます。ピンチもチャンスに変える事ができれば、それがまた自信に繋がります。

(とにかくたくさんリソースを把握することが、具体的戦略をたてるうえでの近道かもしれません。)

〜おまけ〜 振り返ってみての感想

「妊娠出産て大きな転機だよな」と漠然と思ってはいたものの、その『転機』という一言のなかには本当にいろいろなものが詰まっていました。不安や楽しみ、苦労と成功体験、停滞と成長、役割や生活の大きな変化・・・。なんだか終わってしまえばなんてことなかったような気もするものの、ひとつひとつ振り返れば色々なものを経験したんだなと思います。そして経験の分、人生の深みも増したきがします。

「転機をどう見るかということが、転機に対処するうえできわめて重要だということ。変化というものは、それを良いもの、または少なくとも悪くはないものと見るほうが、マイナスと見るよりはるかに受け入れやすくなるということだ。」(シュロスバーグ)

なんだか思っていたより長くなってしまいました。次はもう少し短く読める記事を書きたいです。(でもどのキャリア理論も面白いので、短くまとめられるかどうか…^^; ) それでは、また!

#妊娠出産 #出産 #キャリア #転機 #女性のキャリア #子育て

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