見出し画像

中華そばに黄色いカレー。更科の昼

中華そばを食べたくって新宿御苑近くの「更科」。

更科と名乗るくらいですから、日本そばの専門店。けれど中華そばが人気のお店で、お店に入るとラーメンスープの匂いがしてくる。
ラーメンとミニカレーのセットが1100円。

財布を探すとちょうどみつかりテーブルの上においてスタンバイ。

七味と一緒に胡椒がおかれているのがラーメン人気を雄弁に語っています。
新宿御苑界隈は個性的なラーメン店が集まるエリア。
どの店も趣向をこらしたどこにもないラーメンを作っているけど、そば屋の中華そばこそ絶滅危惧種。
一周回ってあたらしく、それを求めて来る人たちでいつもにぎやか。

しばらく待っておいしい匂いと一緒に到着。
雷紋模様に龍が舞う丼。
醤油色したスープに黄色く細い縮れ麺。
チャーシュー、メンマにほうれん草、刻んだネギが彩り添える絵に描いたような中華そば。
あってほしいものはすべてあり、必要のないものはなにもない。

黄色みがかったカレーも見事に昭和的。
スプーンを紙ナプキンで包んでギュッと絞った姿が昔ながらで、そば屋のスプーンはこれかあるいはお冷のグラスに入っているべきものなんだなぁ…、ってしみじみ思う。

まずはラーメンスープをゴクリ。動物系の匂いがどっしりとしたスープで強い旨味に醤油の風味が混じり合い、軽い酸味を残して消える。後口スッキリ、ゴクゴク飲める。
胡椒をパラッとほどこして風味ととのえ麺を食べます。
今日の麺は硬めで好みの状態。
ザクッと歯切れて散らかる感じが心地よい。
チャーシューは一枚きり。だけど分厚くスープにしばらく沈めておくと脂がとろけて肉もしっとり、なめらかになる。
縁の部分は歯ごたえがよく、芯はとろける。おゴチソウ。

カレーはベースのスープがしっかりしていてぽってりとしたとろみがおいしい。具材はほとんど溶けていて一層なめらか。七味をたっぷりふりかけて辛味や香りをととのえ食べる。
赤い福神漬けも昭和な感じ。パリパリ砕けてカレーのとろみを引き立てる。

ゴクゴク飲めるスープだけれどちょっと残して、満たされる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?