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当店は「セルフサービスの店」ですと宣言する「てんや」

新宿の街をぶらぶら歩く。
そうだ、改装していた「てんや」がそろそろ営業再開しているんじゃないかしら…、と思って来てみる。
そしたらビックリ。
お店の入り口の両側に券売機がドーンッと置かれて関所のように構えてる。
入り口に断り書き。
「当店はセルフサービスのお店です」と。
券売機で食券を買い、勝手に席について待ち、出来上がったら番号で呼ぶから料理を取りに来て…、と店のシステムまで書いてある。
あぁ、人手不足もここまで来たんだってしみじみ思う。
それにしても店の入り口の外に券売機を置くって果たしてどうなんだろう。

一席でも多く客席を作りたいから店の軒下スペースを最大限に利用する。タッチパネル式の券売機ですから、食べたいものを注文するのに時間がかかる。店の中で並ばれると困るからお店の外に並ばせる。

おじぃさまがどうチケットを買えばいいか迷ってた。
お店の人は我関せずで、若い女性がチケット買うのを助ける始末。おそらく若い人たちが中心になって考えたシステムなんでしょう。新しいことをするとき。特にIT系で新しい何かを導入する際、それをもっとも使い慣れない人たち…、つまり「弱者」に合わせて作るべき。
頭でっかちになると大抵失敗します。
チケットを買わぬ人間は客じゃなし…、って冷たい店にみえちゃいもする。もったいない。

中に入るとお店の奥に厨房。前にカウンター。
カウンターの上には大きなディスプレイがあり出来上がった商品の番号がそこに映し出される。
ここは小さなフードコートのようであります。再開業してまだ間がないからなんでしょうか…、人手は潤沢。カウンターの中に3人も入っててほとんど手待ちの状態なのが悩ましいったらありゃしない。

カウンターの間仕切りにお茶もお水もセルフだからってわざわざ書いてる。まさに「当店はセルフサービスのお店です」です。

470円の小丼をたのみました。出来上がるのに5分少々。茶碗にご飯をぎっしり詰めて上に天ぷら。エビにかぼちゃに舞茸、ししとう。
そうか、これが470円かと思いながら神保町のいもやのかつてを思い出す。
ご飯は熱々。状態もよく天ぷらの衣もサクッと揚がってる。
けれど小さな尻尾のエビがこんなに長くて大きいというのは一体どうしたこと。水で膨らせ手で伸ばしドーピングしたエビは前歯いらずでちぎれてく。安く売るって大変なんだ…、と見えぬ努力に頭を下げる。なんだか切なくなっちゃった。

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