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ロイヤルホストの融通がきかないメニュー

ロイヤルホストの西新宿の店でひさしぶりに朝食をとった。
最近、改装をしてドリンクバーを設置した。
人手をかけることができないファミレスにとって、ドリンクバーは手間をかけなくてすむ上、時間稼ぎができるのがありがたいシステム。
さすが裕福な会社です。
コーヒーマシンもソーダマシンも最新式です。
一緒に入り口脇には順番待ちのカードを発行するマシン。
セルフレジも設置され客席の居心地の良さに反したメカメカしさがちょっと切ない。

朝食メニューが変わって、メニュー豊富になりました。
洋食あり、和食あり。
ロイヤルホストが昔からこだわっていたパンケーキに、最近、イチオシのブリオッシュ生地を使ったフレンチトースト。
サラダ、アサイー、ヨーグルトと朝食にあってほしいモノはほぼもれなく網羅しているフルメニュー。

ただよく見ると「メニューがたくさんある」というだけ。
朝食といえば「選択肢の多さ」が豊かなそれであるかどうかを決める。
特にアメリカンブレックファストに代表される洋朝食は「お客様好み」を手に入れるための選択肢の集大成。

ジュースは何になさいますか?
玉子は何個?
その焼き方は…、状態は?
サイドに添える肉料理はハム、ベーコン、ソーセージ?
ベーコンの焼き加減はいかがしましょう?
サイドはハッシュブラウンなのかリヨネーズポテトがいいのかと、お店の人に好みを伝えて自分が食べたい朝食を作ってもらうのが醍醐味。
お店の人と会話しながら頭を使って目も覚める(笑)。

ただそういう注文のとり方は手間がかかる。
お客様の好みをひきだしそれを正しく厨房に伝えるためには経験も必要。
最近ではこういうやり取りを面倒くさいと思うお客様も多くて、それであらかじめ組み合わせメニューをたくさん作る。

融通がききません。
例えば卵焼きのサイドのソーセージをベーコンに変えてほしいと言っても、メニューはそうはなっておりませんのでと言われる。
ベーコンを召し上がりたいのであればこちらの商品についていますからと勧められたのが、ベーコンエッグサラダモーニング。
卵一個の目玉焼きがグリーンサラダの上にのっけられてる。
目玉焼きにベーコンが添えられているから確かにボクが食べたいものには近い。
けれどもせっかく焼けた目玉焼きがサラダの上で冷える。
冷たいことが身上のサラダはしんなり煮えたようになる。なんでこんな料理を作っちゃうんだろう…、って思う。

料理が提供されてしまうともうほったらかしです。
そういえば、ステキな朝食はコーヒーの香りと一緒にはじまるものだった。
落としたばかりのコーヒーを入れたポットを持ったお店の人が、にこやかにテーブルに近づいてきて「コーヒーはいかがですか?」と聞いて、それをカップに注いでくれながら、今日は何を召し上がりますか…、なんて具合に自然にサービスがはじまっていく。
ロイヤルホストにはかつてそういう朝があった。
なのに今ではまずコーヒーマシンのボタンを押すことから朝がはじまる。
日本の飲食店っていったいどうなっちゃったんだろうってしんみりしちゃう。
「おもてなし」の国が泣きます…、さめざめと。

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