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アメリカの豚はアメリカ人が食べるように食べる②

国産の豚の味を評価するとき。
常套句として使われるのが「力強いうま味と風味」というフレーズ。
たしかに銘柄豚を食べ比べると、荒々しくてたくましい味のものがあったり、やさしいけれどうま味にコクがあったりするものと味の傾向は異なれど、存在感のある味わいにウットリさせられることとなる。

ところがアメリカの料理評論を読み込むと豚肉を褒める際の言葉の多くが「繊細でクセがない」というもの。
ミルキーな味。
優雅で上品な風味と表されることもままあって、つまり日本とアメリカの豚肉はまるで違った食べ物なんだということになる。

アメリカの調理人にとって豚肉は「クセがないから調味料を活かせる食材」
クリームで煮たりトマトと一緒に煮込んだり、とにかくソースを染み込ませたりまとわせたりと料理人の創意工夫に応える素材として扱われます。
クセがないから加工食品にもピッタリで、ハム、ソーセージ、それからベーコン。
アメリカのスーパーマーケットに行くと豚肉を使った加工食品がこんなに種類豊富でたくさんあるということにびっくりする。
それと同時に精肉売り場での豚肉の存在感のなさに二度びっくり。
アメリカ農務省のこんな資料がありました。


アメリカ的にハムをたのしむ

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