欠陥ではない中古マンションの選び方

ババを抜かないマンション選び

2015年の10月、「パークシティLaLa横浜」というマンション傾斜問題が起こったことを覚えておられる方も多いと思う。

この記事は、その直後に書いたものを現在の状況に即して補足したものである。
基本的に「欠陥ではない中古マンション」の選び方は2015年当時も今も変わらない。
区分所有形態そのものへの疑問を投げかける2題のコラム
「長期修繕計画は管理会社の長期収益計画」
「分譲マンションの光と影」
も付けておいた。ご参照いただけると幸いである。

あの2015年の傾斜事件の直後、私のところにも一時期メディアの取材が殺到した。それこそ、毎日何社ものテレビ局や雑誌社からコメント取りの電話がかかってきた。また何度もカメラの前でのV撮りインタビューをこなした。

様々なメディアからいろいろなことを聞かれたが、多かった質問は以下のようなもの。

「杭が支持基盤に達していないと見抜く方法はなかったのですか?」

これについてはいろいろな場面でお答えした。それは不可能。

「欠陥工事マンションを買わない方法は?」

これについても同様。それも不可能。
竣工したマンションを外から見る限り、欠陥工事かどうかの判別は不可能だ。ただ、慣れた人間が見れば隅々の仕上げから工事精度のレベルは想像がつく。
私はあの当時、取材に答えて何度もこういった。

「新築マンションを青田で買うというのは、百枚に一枚か二枚混じっているババを引くようなものですよ」

雨漏りやちょっとした傾斜といったマンションの欠陥工事の実態は、2015年の横浜の事件のようにメディアで報道されることはほとんどない。その理由も本書の中で書いた。
そして、最後にいつも同じことを聞かれる。

「それでは、ババを抜かなくてもいい方法はありませんか?」

実は、ババを引かなくてもいい方法があることにはある。欠陥建築のマンションを買わない、かなり確実な方法である。
では、ここからその方法を具体的にご説明しよう

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