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離れて暮らす親を見守るためにテクノロジーで解決したこと

要旨

離れて暮らす親を見守るためにテクノロジーを使って解決したいくつかを紹介する。「双方向通話が可能なネットワークカメラ」と「迷惑電話ブロック機能の固定電話」が現時点では大きな効果を発揮しており、この2つを中心に紹介する。

目指していること

80歳を超えた高齢の両親を遠方からサポートしている。実家から車で1時間位の離れた距離に私が住んでおり、週末や平日の時間を見つけて実家を訪れ、買い物や身の回りの世話、お金の管理などをサポートする。

さまざまな事情があり、同居はしていない。それでも親を思う気持ちは強くある。親を脅威(勧誘や詐欺)から可能な限り守ることと、暮らしぶりを能動的に把握できるようにしたい。

課題

以前から、iPadを親に持たせてFaceTime(ビデオ通話)による通話をコミュニケーション手段の中心においていた。ただし、iPadの不調や親の誤操作で着信音が鳴らなくなったりすることがよくあり、現地で私が対応しない限り連絡が取りにくくなっていた。「見守りたい側(私)」から「見守られる側(親)」に強制的につながるなんらかの仕組みを作る必要が強まってきた。

固定電話は勧誘の電話がよくかかってくることから解約してはどうかと考えたこともあった。高齢者を狙った詐欺のリスクも不安だった。一方、携帯電話という道具は認知能力が落ちている高齢者には使いやすいとは言い難く、最後は「固定電話」ぐらいしか使えなくなっていくことを知った。高齢者にとっては固定電話は最後のライフラインだったのだ。結論としては固定電話を残しつつ、各種脅威を排除できる仕組みが必要だった。

欲しい機能を整理すると、以下。

(1)今何をしているか(リアルタイムモニタ)
(2)どんなことがあったか(映像の記録、検索)
(3)声かけ(強制的に音声発信)
(4)固定電話というインフラは残しつつ、着信する迷惑電話や勧誘電話をブロックする。

課題(1)~(3)を「双方向通話が可能なネットワークカメラ」で、課題(4)を「迷惑電話ブロック機能の固定電話」にて解決した。

解決手段1.双方向通話が可能なネットワークカメラ

キャプチャ

これを使っている。3台を導入し、両親の活動の中心エリアを捕捉できるように配置した(リビング、玄関、寝室の近く)。3つのエリアを同時に1画面で表示することができる。

簡単な設定で、期待した機能を確実に実現し、性能も今のところ不満がない。スマホを使った設定もわかりやすい。広角のレンズも明るく画質は申し分ない。

当初は期待していなかったが、現在は「モニタしている側から強制的に発信できる機能(双方向通話)」をよく使っている。私の両親は、近い将来、電話やiPadなどが鳴っていてもそれが何の音なのか混乱してしまい、着信ができなくなる可能性がある(すでにその兆候がある)。その場合でも、モニタしている側から(天の声のように)強制的に声をかけられる手段があるのは大きい。

約4500円という非常にコスパが良い製品であることも気に入っており、最初に1台導入し様子を見てから2台目、3台目と追加購入した。

役に立った機能をユースケースを紹介する。

ユースケース「何が起きたかを後から知ることができる録画機能」

高画質HD動画をmicroSDカードに記録しているため、例えば親が転倒した時などは、どういう状況で転倒したのかをしっかり確認し、再発しないように対策を考えることができた。動体検知が付いているのも探しやすくて良い機能だ。

転倒したのが父親だった。母親から連絡を受けた時に「階段から降りてきた時に転んで転倒したみたい」という説明だったのだがカメラの録画データを確認したところ、その説明は間違いであった。転倒理由も転倒場所も違っていた。

高齢になると、本人もそのパートナーも含め、説明している情報の精度がだいぶ落ちてくる(思い込みが多くなる)。その説明が正しいと決めつけて動くと、正しいアプローチが取れなくなることが多い。データを記録し、そのデータから原因と対策を打てるのは高齢者の介護目的の仕組みでは非常に役立つと気づいた(もちろん、当事者の声に耳を傾けることも必要)。

解決手段2.迷惑電話ブロック機能の固定電話

以下のnote記事にまとめている。Panasonicの電話機と、トビラシステズ株式会社のサービスを組み合わせて課題を解決した。少額のサービス料(310円/月)で大きな効果があったことを実感している。

番号非通知は拒否し、番号通知有りで、かつ、あらかじめ電話帳に登録している発信者であれば普通に着信する。電話帳に登録がない発信者の場合は、音声通話を録音する旨のメッセージが流れ、SDカードに通話を録音する(ほとんどの勧誘電話はここで諦める)。また、迷惑電話番号データと一致した場合は着信拒否する。

ここまで徹底することで、勧誘のような電話をほぼシャットアウトできている。また、NTTひかり電話の機能で、着信のあった電話番号をメールで私に通知する機能も併用しているため、私自身が実家固定電話に着信するすべての電話番号の通知をリアルタイムで知ることができ、安心度もアップした。

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その他やったこと

実家の家計の管理をやることにしたため、家計簿アプリ(サービス)として、マネーフォワード MEを使ってみた。非常に重宝している。

親の持つ銀行口座をインターネットバンキングに申し込み、マネーフォワードに口座を登録することで、預貯金残高、月々の収支などがWeb画面でもアプリでも見えるようにした。家計の管理をクラウドサービスで実現したことも、テクノロジーを使って解決した一つと言えるかもしれない。

次にやりたいと考えていること

なんでもかんでもテクノロジーをぶっこめば良いとは考えていない。例えばハイテク過ぎるあまり、現場の利用者が不安がったり混乱してしまうようであれば意味がない。状況を見ながら使えるテクノロジーがあれば使っていきたい。

・部屋の温湿度を確認し、現場の状況を確認したうえでリモートからエアコンをON/OFFする。高齢者は温度対する感覚が弱くなるため、夏は室内にいても熱中症になるリスクがある。
(例:Wi-Fi機能付きエアコン、SwitchBot等のスマートホーム化製品)
・玄関のドアの鍵をリモートでOFF/ONできる機能。鍵の閉め忘れ防止。
(例:スマートロック)
・インターホンが鳴った時に、リモートで応答できるようにできる機能。
(例:スマホ対応のドアホン)
・実家に届く郵便物を遠隔で確認したい。せめて宛名書きの部分だけでも見れるとよい。

まとめ

以上が離れて暮らす親を見守るためにテクノロジーで解決したことの紹介である。

インターネットのインフラをうまく利用することで、離れていても近くにいるような感覚を作ることも今の時代は可能だと思う。それだけで済ませるという意味では決して無いが、どうしても近くにいてあげられない時にはテクノロジーの力を借りればいいじゃないかと思っている。

目指すべきは、介護される人と介護する人の双方の幸せである。

以上。


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