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2021/12/11(土)女流義太夫と上方舞@紀尾井小ホール|予習その2:萬歳(まんざい)の聴きどころ見どころ、今回はなかなかレアな件について。

【宣伝】本稿は、私の大好きな姉弟子さんが出演される会の予習的なものです。

直前ですがチケットご用命のかた、手配しますのでお声かけくださーい。
当日券もあると思うので、ふとその気になったら当日紀尾井小ホールへ来てね~


予習その1、おっしょはん編はこちら



今回のおっしょはんの会では、名取の姉弟子さんが三人で”萬歳(まんざい)”を舞われる。

ちなみに名取というのはですね、厳しい稽古を経て試験を受け、お家元より免状が下された選ばれし方々。猛者。
普段のたたずまいからしてやっぱりちょっと違うんだよね~

それはさておき。
マンザイ、ゆうても今のしゃべくり漫才ではなくて、
三河万歳とか大和万歳とかのマンザイね。

お正月なんかに、太夫(たゆう|口上を言う人)と才蔵(さいぞう|太夫のあいの手に鼓を打つ人)のコンビでやってきて、家の門前でお祝いしてくれるやつ。
舞の萬歳は、こっちの万歳がモチーフです。


さて萬歳の聴きどころ。

姉弟子さんが
「お魚好きの人におすすめ」
とおっしゃっています。

歌詞は終始おめでたいものづくし。
曲の後半、おめでたい魚の名前がズラズラと出てくる。

わたくし個人的には
〽︎はーまーぐりこ〜
がツボ。

あと個人的スキポイントは
〽門(かど)には門松、背戸(せど)には背戸松~
のところ。
後ろを向いて背戸に松を飾るしぐさがグッとくる<個人の感想です

(ちなみに松はおめでたいものの象徴として地唄では頻出ワード。
松の緑、とか、松づくし、なんてズバリな曲もある)


そして萬歳の見どころ。

日本舞踊の中でも上方舞(地唄舞、座敷舞ともいう)は、
ひとりで舞うのがスタンダードである。

お座敷の畳半畳でほこりを立てないように静かに舞う、
がコンセプトだからね。

が、舞台(劇場)では、
たまーーーーーぁに、複数人で舞うこともある。

二人でも珍しいのに今回は三人。
ヒジョーにレアである。

そうそう。
こないだ国立劇場小ホールの上方舞の会で、
他の流派の二人立ちの演目を観たのですが、なかなか興味深く。

最初は一人で登場。

しばらくするともう一人登場。

舞台の真ん中で向かい合って正座し、
深々とお辞儀をして交代。<ここグッときた

二人目がひとしきり舞うと、
最初のかたが戻ってきた。

二人並んで同じ振りを舞う。

片方が立ち、もう一人は座って。

片方は正面を向き、もう一人は後ろ向き。

片方が扇を開くが、もう一人は閉じたまま。

近づいたり、離れたり。

わ、しっとりソロもいいけれど、
デュオはまた違った世界。

大と小、プラスとマイナス、陰と陽、表と裏・・・

そういえば、下稽古の風景をおっしょはんがツイートされていたな。

おお、小・中・大!
縦横高さ、松竹梅、的な<何でも3つ並べたらいいってもんじゃないぞ。

いやーしかし三人トリオの萬歳、どうなっちゃうんだろう?!
楽しみだー!

とはいえ私は当日、
3人が楽屋に戻ってくるのを待ち構えていて、
元の姿に戻るお手伝いをするので見られないのでした。
残念だー。
(ちなみに白塗りの化粧をグイグイ落とすのが主な役目)
(白塗り、鬘、衣装をまとうところが見られるのは役得)

だれか私のかわりに、しかと見ておくれ~

(予習おしまい)

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