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[特許] 経過書類のかんたん&コンパクト収集法

特許を無効化したい場合や、権利範囲を正確に解釈したい場合、対象特許の「経過書類」を収集し、内容を分析するのが基本です。そうなのですが「経過書類一式」って、大量の書面を含むケースが多いのですよね。
例えばアメリカの「経過書類一式」は下図のように数十の書面を含む場合も珍しくはありません。

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データそのものは米国特許庁のサイトから無料でダウンロードできます。
が、膨大すぎる場合、無効資料調査の検討に必要な書類を探すのも一苦労、という事態を招くのも事実・・・

権利範囲の解釈に影響する書面だけ。具体的には検索報告書、拒絶理由書(サーチレポート)、補正書、意見書などだけが欲しい。翻訳文提出書とか、添付書類はなくてもいい。

と思った経験がある方も、きっと多いのではないでしょうか?

海外の方も同様に感じているようで、2014年に書かれたこんな記事があります。

上記記事と合わせ技で、Chromeのエクステンション「Multi-highlight」を使うと 「権利範囲に影響する書面だけ」を快適に入手できますよ。

以下、手順です。

0 Multi-highlight を準備

chromeウェブストアからMultiーhighligt をインストールします。

※他のブラウザにも同様のプラグインがありそうに思いますが、使った事がなくてわからず・・・すみません。

1 ハイライトさせたい語句をMulti-highlight に入力

Multiーhighlightが準備できたら、下図の位置に「ハイライトさせたい語句」を入力します。(特許庁で検索した後でも大丈夫です。後から追加もできます。)

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先ほど紹介した2014年の記事には claim amend reject allow interview disclaim action が載っています。これは基本語といっていいのかも。

ですが、上記は米国の経過情報用語に準拠している感じなので、対象国によってはdeclarationopinion も使うと良さそうですし、一緒に日本の頻出語句、拒絶理由通知書意見書 も加えることもできます。

claim claims search searching amend amended amendment reject rejection allow allowance interview disclaim disclaimer action declaration communication opinion 拒絶理由通知書 意見書 拒絶査定 手続補正 検索報告書 審判請求書 補充書 検索外注

2 各国の経過書類入手サイトで検索

主な経過情報書類の入手サイトです。
米国(Public PAIR)

欧州(EP Register)

日本(J-PlatPat) |特許・実用新案番号照会/OPD

3 必要な書類を選んでダウンロード

それぞれのサイトで経過書類一覧が出たら、先ほどの単語でハイライトし、必要な書類を選んでダウンロードします。

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米国(Public PAIR)の例

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欧州(EP Register)の例

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日本(J-PlatPat)の例

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前出の記事「Quickly Reviewing Prosecution History」によると、記事で紹介したUS7654321の場合、入手した書類の量は全体の約20%で済んだそうです。


最後にCM失礼します
上記方法で入手書類の「量」はコンパクトになりますが・・・でも
「各国特許庁を回って書類 + 引用公報のPDF入手するのが面倒!」 
という方、いらっしゃいますか?

弊社では、対象の番号(1カ国分)をお知らせ頂けば

・パテントファミリー情報(国・番号)
・各国の履歴情報(経過記録+日付)
(INPADOC入手可能分)
・5IP分の 主要経過書類(検索報告書、拒絶理由書、補正書、意見書)
・5IP分の 引用公報PDF

上記をまとめて準備して、データでお送りできます。納期は最長でも1週間程度です。メール info@1smartworks.com までお問合せください。


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