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オゾン発生器は危険?〜国民生活センターの「家庭用オゾン発生器の安全性」について思うこと

現在、コロナ禍においてオゾン発生器の需要が拡大しています。昔(2009年8月)国民生活センターが「家庭用オゾン発生器の安全性」というタイトルで注意喚起を行ったことがありました。業界からは「今オゾン発生器は調子がいいのだから水をさすような話題はやめてくれ」と嫌がられるかもしれませんが、事実を事実として記録に残しておきたいという思いと、当協会はオゾンプラスというサイトを運営していることを考えても、お分かりいただけるとおりオゾン発生器やオゾン水生成器が今よりもっと普及し、人々の生活や公衆衛生に貢献してほしいと願う立場であります。
※本記事は過去にオゾンプラスで公開された記事の一部を加筆修正して公開しています。

当時の国民生活センターの発表はどのようなものだったか

2009年8月に国民生活センターから『家庭用オゾン発生器の安全性(現在当該記事はすでに削除されています)』といったタイトルで、『家庭用オゾン発生器は買わない方がいい』との報告書が出されました。これは、家庭用オゾン発生器を購入した一般の利用者から、2004年度からの約5年間に全体で410件(※)のオゾン発生器に関する相談が寄せられたことが原因で調査されたものでした。
※410件中67件が、「オゾンガスが体によくないとの情報があり不安」といった安全性に関するものでした。

【空気中での使用】
・空気中、水中の両方で使用ができる4銘柄は、排出口付近では最大2.2~10.2ppmと大変高濃度で、8.7畳相当の室内で30分間運転すると最大0.1~1.0ppmと、室内環境基準や労働環境における許容濃度の0.1ppmを超えて危険であった。

・空気中のみで使用できる3銘柄のうち、1銘柄は長時間使用すると室内のオゾン濃度が0.1ppmを超える場合があるのに対し、残りの2銘柄は室内のオゾン濃度をほとんど上昇させることがなく、オゾン濃度には大きな差があった。

【水中での使用】
・室内で少量の水煮使用する場合、水中に通したオゾンのほとんどは溶けずにそのまま空気中に放散されるため、室内のオゾン濃度が高くなり危険であった。
・浴室内で使用すると、短時間でオゾン濃度が高くなり危険であった。

【表示】
・高濃度のオゾンを吸い込むような危険な使用方法の表示があった。また、2銘柄でオゾンに関する注意事項がほとんどなかった。
・治療効果をうたうなど、薬事法に抵触するおそれのある表示及び広告がみられた。
・オゾンの発生に関する表示は、発生量や濃度が記載され、単位が統一されていない他、表示値と実測値がかけ離れているものもあった。表示を見ても、どの程度危険なのかを知る目安にはならなかった。

【消費者へのアドバイス】
・使用方法によっては危険なオゾン濃度となるものがあり、また、オゾン発生量等の表示を見ても専門知識のない消費者が安全に使用することは難しいと考えられた。このような現状のもとでは、購入等は避けた方がよい。

【業界への要望】
・使用者が高濃度のオゾンを吸引しないよう、安全で必要な効果が得られる商品の開発を要望する。
・薬事法に抵触するおそれのある表示、広告の改善を要望する。

以上のような結果になったと発表され、消費者へのアドバイスとともに業界各社への要望が出されました。国民生活センターは計7製品のオゾン発生器を検査したとありますが、テストを行った製品一覧がこちらです。

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国民生活センターはなぜこのような発表を行ったのか

悪質なメーカーや、オゾンの危険性を説明せずに売りっぱなしのネット通販業者に対しての警告のためでした。
特に、昔も今も「◯◯で△△が治った!」などの何の根拠もないうえに、薬機法(旧薬事)を完全無視して誇大広告などを行う悪質業者がいます。そういう業者に対しての警告的な意味合いがあったことは理解です。

当時の国民生活センター発表は適切だったのか

注意喚起という意味では間違っているとは言えませんが、適切かどうかと問われれば適切ではありませんでした。おそらく、業界内のまっとうなメーカーはほとんどの人がそう感じていたはずです。
適切ではないと考える主な理由は、業務用製品と家庭用製品を一緒くたに並べて環境(有人または無人)を無視して同じ土俵で語られていたからです。
無人環境で使用する業務用オゾン発生器を有人環境で使用すれば危険なことは当たり前の話です。

この発表がオゾン専業メーカーにもたらしたもの

この発表では、最終的に『オゾン発生量等の表示を見ても専門知識のない消費者が安全に使用することは難しいと考えられた。このような現状のもとでは、購入等は避けた方がよい』ということです。

たとえば、リストNo.1のオースリークリアは、あくまでも「無人環境(ペット含む)」で使用する製品です。それを有人環境下の濃度基準に照らし合わせて「この濃度は危険だ!」と主張するのは本当に馬鹿げています。
また、「オゾン発生量等の表示を見ても専門知識のない消費者が安全に使用することは難しいと考えられた」とありますが、まっとうなオゾン専業メーカーはオゾンの特性をよく理解していますので、当然ですがその製品が「有人環境」で使うものなのか「無人環境」で使うものなのかウェブサイトの販売ページや説明書等にも記載があります。無人環境で使用すべきものを有人環境で使用すれば危険を招くのは当たり前のことです。

たとえば、自分がお風呂に入りながら、お風呂のカビ取り燻煙剤を使用すれば危険なことは当たり前のことです。
あるいは、料理が好きなあなたは「鉄製のフライパンがいい」と聞き、通販サイトで鉄製のフライパンを購入しました。それまでテフロン製のフライパンを使用していたことから新たに購入した鉄製のフライパンでも油をほとんど引かずに使用したところ、鉄製のフライパンで焼いたハンバーグは黒焦げになりました。「鉄製のフライパンはロクなものじゃない!レビューを信じた私が馬鹿だった」と言っているようなものです。
そんなこと当たり前のことだと思いませんか?
商品ページや説明書にうるさいくらい書かれていることを無視して誤った使い方をする「お客様」をメーカー側は一体どのように守れというのでしょうか。

それに、今でも人気が高い小型の家庭用オゾン発生器ピコレッツについては、オゾン発生量が1mg/hrにもかかわらず、このリストに掲載され一緒くたに「危険」というイメージを与えてしまうこの発表はただのいい迷惑だったことでしょう。ピコレッツのオゾン発生量1mg/hrですが、1時間に1mg/hrのオゾン発生量でどうすれば「危険な濃度」になり得るのでしょうか。この時点で、この調査メンバーの中にオゾンや濃度検査に詳しい人がいないことがよくわかります。
悪質業者に警告することが目的だったと思われますが、家庭用オゾン発生器とひと括りにされ「家庭用オゾン発生器は危険である」という趣旨のこの当時の発表について、まっとうな業者は大変な迷惑だったのです。
実際、10年以上が経過した今でも、この発表に関するお問い合わせは一定数あり、随分と長い間、影響を受けています。

なぜオゾンが危険といわれるのか?

なぜオゾンが危険だといわれることがあるのかというと、結論を先にいってしまえば「オゾンのことをよく知らないから」です。多くの方がオゾンの特性を知りません。知らないものや見えないものはときに人に恐怖感を与えます。世間一般的なオゾンの知識といえば、『オゾンは危険だと聞いたことがある』『人体への影響が心配』『なんとなく危なそう』といった、曖昧だけれどもマイナスなイメージが多いかもしれません。(このイメージは正しくもあり、間違ってもいます)

【普段からオゾンを吸って生きている】
オゾンには物質としての有害性があります。そして人間にとって『無害か有害か』といわれれば濃度や環境によっては有害になり得ます。(一方で除菌効果と安全性の高さから厚生労働省が認定する食品添加物に認められ、日々皆さんの安全な食を支えています)
しかし、一般的にはあまり知られていませんが、わたしたちは日頃からオゾンを吸って生きているのをご存知でしょうか?
わたしたちの住んでいる地球上、大気中にはオゾンが含まれています。「オゾン層(上空25km)」のオゾン濃度は10〜20ppm、海岸近くは0.03〜0.05ppm、森林は0.05〜0.1ppmのオゾン濃度といわれています。

また、オフィスやコンビニなどに設置されている、大型のコピー機などからもごく微量のオゾンが発生しています。ですが、人体に影響はありません。コピー機を置いてから体調が悪くなったという話を聞いたことがあるでしょうか。ありませんよね。それはなぜか?人体に支障がない濃度だからです。

大切なことは『濃度管理』なのです。濃度管理さえしっかりしていれば、安全でどんな悪臭も一網打尽にしてくれるオゾンほど便利なものはありません。オゾンという言葉だけで危険と判断するのは間違いです。また、家庭用と業務用ではオゾン発生量・風量・濃度基準が違うため「業務用or家庭用」「無人環境or有人環境」などを無視して使用しないで下さい。なぜなら、ほぼすべての業務用オゾン発生器と呼ばれている製品は「無人環境」で使用することを想定しているため、家庭用よりもオゾン濃度が(比較にならないほど)高くなるように設計されています。それを一般家庭で、しかも人やペットがいる状態で使用すれば安全でないことは当たり前の話だからです。

当時の各メーカーの対応

オーリック
オーニット
タムラテコ
オゾンマート

国民生活センターの不適切な検証方法と主張に対し、各社の見解では、オゾン専門メーカーだけあってしっかりした根拠をもって意見を主張されています。当然ながらオゾンがどういうもので、どうすれば危険なのか十分な知識があっての製品開発です。オゾン発生器を選ぶ際は、こういった専門業者から購入しましょう。
正直、この国民生活センターの発表(検証方法や伝え方等)こそが消費者に誤解を与えかねないものです。真面目に商品開発・製造しているまっとうなメーカーは当時この発表に落胆したことでしょう。そして少なからず売上に悪影響があったはずです。しかしながら、感情的に何かを発信することなく、根拠をもって国民生活センターの意見を明確に否定しています。これは、いってみれば、これらのメーカーが誠実な企業である証明だといえます。それを裏付けるのは、当時この発表に対し、ニュースリリースを配信したメーカーは2020年現在も変わらず営業している点です。これらのメーカーが日本の公衆衛生及び衛生問題に大きく貢献していることは疑いの余地はないでしょう。
当然、低品質な製品を保証もなく無責任に販売していたショップなどは、国民生活センターの発表に対し、何一つアクションを起こしませんでした。こういった「ショップ」は、自社で製品を開発したり製造したりしていません。中国などですでに形としてある商品を仕入れ、特にオゾンに詳しいわけでもなく、ただただ右から仕入れ、左に販売しているだけなのです。しかし、それらのメーカーやショップの多くは今や存在せず、事業撤退から数年はそれらのメーカーの製品がヤフオク等の中古市場で出回ることはありましたが、今ではそれを見かけることもありません。(事業経営が何たるものかがよくわかります)

悪質なメーカーや売りっぱなしの業者に注意!

どの業界でもそうですが、オゾン発生器やオゾン水生成器を販売するメーカーやショップの中には残念ながら「悪質業者」が存在します。
低品質で(電化製品として)危険なレベルの商品を何の保証もなく「超激安!」などとして販売するショップもあれば、中には何の根拠も示さず「オゾンでガンが治る」などと薬機法(※)どこ吹く風状態の業者も確認しています。
※ 正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。

一番悲しいことは、せっかく悩んだ末に、オゾン発生器あるいはオゾン水生成器の導入を決めたのに、悪質業者から購入してしまい、故障や事故等に泣かされるケースです。 消費者にとって、どのメーカーがまっとうなのか悪質業者なのか判別もなかなか難しいと思いますが、当協会が運営するオゾンプラスで紹介している製品を製造販売しているメーカーからご購入いただくか、もし、当サイトで紹介されていないメーカーやショップであったとしても、実際に問い合わせるなどして、対応がしっかりしているかどうかをご自身の目や耳で確認してから購入することをおすすめします。

こちらの方のブログも大変参考になります。
タメ口でオゾン発生器のことを完璧に説明するやつ

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