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泥棒

知り合いの店で肉を焼いてもらうとき、少し多めにお願いしています。焼く方も小さなポーションより大きめのほうが焼きやすく。あとオーダーしすぎて食べきれなかった肉は、無理して食べずに持ち帰るようにしています。そして、翌日の夜に食べます。このとき、焼きの上手い下手がよく分かります。肉質にもよるんじゃないですか、と言われそうですが、そこを見極めて焼き切る技術も含めて、翌日の夜がおいしいのです。2度楽しめるのでおすすめです。

数名で食事しているとき、1人の方が僕に肉の熟成について質問してきました。僕が説明していると、隣にいた人が、身を乗り出してしゃべりたそうにしている。

口がいまにも言葉を発したそうに鯉が餌をもらいに水中から顔を出してるのにそっくり。そして、一瞬僕の話が途切れたところを間髪入れず、堰を切ったようにしゃべるしゃべる。

待ちきれなくて会話に遮りながらしゃべる人もいますから、そういう人たちは、せっかちなんでしょうね。

会話泥棒されると、場がしらけますし、質問者も、もういいかなと呆れ顔。元の話に戻しにくくなりますしね。しかも、泥棒さん、微妙に間違ったこと言ってたりするので困ったものです。

いつだったか、あるレストランで僕と知人2名とで食事をしていたときのこと。その日のゲストは僕たちだけだったので、料理を出し終えてデザートも食べ終わったタイミングでシェフも会話に加わりました。

肉の話で盛り上がって、シェフも僕に日頃聞けないようなことを質問してきました。そのとき、何度も知人の1人が泥棒するわけです。最初は黙っていたシェフも、そのうちイライラしだし、ついには、あなたは黙ってなさいと一喝。

その件があって以来、その知人と何度か一緒になりましたが、泥棒癖がなおっていたから驚きです。原因はそのときのシェフのいっかつあなのか、はたまたどなたかが注意されたのか、どちらにしても、僕は付き合いやすくなりました。

会話泥棒ではないのですが、SNSでも似たことがありますね。コメント泥棒とでもいいましょうか。まるで対抗しているかのように、内容をかぶせてきて自分ごとでコメントする人。

あっ、と思う人がいたらちょっと我慢して、まずは話を聞くということを気にしてみてはいかがでしょうか。


ありがとうございます!