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放牧豚とコントルノ食堂

どこにでもある普通の精肉店でした。20年前までは。唯一違うところは、問屋から肉を買うのではなくセリで枝肉を買っでたらことぐらい。

BSE(狂牛病)で普通じゃなくなり、生き方まで変わった。そのあたりから、生産者を訪ねてあちこち行ってますが、今回は熊本です。

熊本は父親の故郷でもあり、何度も来てますが菊池ははじめて。

武藤さんは放牧豚を育てる人。そして温泉とコントルノ食堂。

レンタカーを借りようかと思っていたのですが、宮本さん(antica locanda MIYAMOTO)が車を出してくれるというので甘えさせてもらった。

おかげで、宮本さんとじっくり話せた。そして、武藤さんのところ。

150頭の豚を15頭のグループに分けて、10か所の放牧地で育てているとのこと。

畜産やってる人が必ずといっていいほど口にする「ストレス」という言葉。「うちの牛はストレスがない飼い方をしている」と何度聞いてきたことか。

ものすごいスピードで走る豚たち。気持ちよさそうに眠る豚たち。いろんな表情を見せてくれる。たぶんストレスないんだろうな。僕が豚ならこんなところで暮らしたい。

抗生物質やエサのこと。すばらしい環境のことなど、武藤さんからいっぱい話も聞いた。だから、僕の感想も含めていくらでも書けるのだが、書けば書くほど自分の文章に違和感を感じる。それよりも、僕は僕の仕事をもっと突き詰めたい。まだまだやれることがある、そんな思いにさせてくれる。

サスティナブルやエシカル、SDGsなど、モードに乗っかって口にする人たち。で、サスティナブルと料理がどう関係あるの?ってあるシェフに聞いたことがある。

いろんな考えがあっていいと思うが、僕はシンプルでいいかな。走り回ってる豚を見ながらそう思った。手当てのことで頭がいっぱい。この環境を見て触れたので、おいしくして返さないと。

豚たちとお別れしたあとは、楽しみにしていたコントルノ食堂へ。

牛と豚の生産者、精肉店、料理人が揃って飲んで食べてあっという間に6時間。地産地消はおいしくなければ意味がないと思っているのだが、菊池シェフの料理に愛を感じる。すごくおいしい。さっき見た豚も、パスタも、そしてワインもぜんぶおいしい。旅館の温泉もよかったので、また菊池へ行く理由ができました。

翌日は、南小国へ。 
豚を見ておいしいご飯たべて帰るわけには行かない。あか牛に会いにいかないと。

続く

ありがとうございます!