エンゾ・マリ展@デザインミュージアム(ロンドン)
こんにちは。
2020年にロンドンに来てから、色んなヨーロッパの美術展に足を運ぶ習慣ができて、その感想を時々気まぐれにインスタにポストしていく、というのをやってきたのですが、大学院を出て自分の時間ができたのと、英語で文章を書くことの習慣付けのために、これから少しずつ訪れた展示の紹介をしっかりやっていくことにしました。
そのおまけ、と言ってはなんなのですが、日本語版をこちらのnoteに残していこうと思います。
一つ目に紹介するのは先月訪れた、デザインミュージアムで今ちょうどやっているEnzo Mari(エンゾ・マリ)の展示。
街中で見る美術展の広告にはいつもキュンとします。
Emzo Mariはイタリアのアーティスト兼デザイナーで、彼は日用品から家具からアート作品まで、とにかくありとあらゆるものを作ってしまう「何をやっても一流」な人だな、という印象でした。あまりになんでもあるので、展示会場はまるで高級な無印良品の店舗のよう、、。
2D・3Dの作品も、アートよりの作品からデザインよりの作品も、とにかく色々と揃っていたのですが、私が普段グラフィックデザイナーということもあり、やはりグラフィックやポスター、パブリケーションに特に目を惹かれました。
彼は1932年生まれということで、時代的には第二次産業革命のあと、第二次世界大戦をも経験している、時代の価値が何度も変化していった中を生きてきた方です。そんな中で、彼は過剰生産については批判的だったと展示で紹介されていました。政府をあげて大量生産・大量消費が推進されていたであろうムードの中で、自分の信念を持って、そこに抗うにはどういうものを作るべきか?考え、行動し続けた彼の強さも含めて、彼の作品はどれも美しいなと感じました。
また、私の修士課程での研究テーマも大量消費社会に関する批判をテーマにオリジナルで作った物語を本にしたものでした。私は資本主義社会の歪みを浮き立たせるようなストーリーで、人に普段とは違う視点を抱いてもらおうと試みましたが、彼のように、人々に感銘を与える美しいものを作ることで、「この家具を大事に、長く使いたい」「マスプロダクションだけが正解じゃない」と思わせるアプローチもあるということに気付かされました。
有機的な美しさ、機能的な美しさ、遊び心と調和ー
どうきりとってもこだわりに溢れた作品が沢山展示されていて、素晴らしかったです。
最後まで読んでいただき、有難うございました!
ライティングの練習として書いている英語版はこちら↓
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