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【魔入りました!入間くん】悪魔らしくないのが一周回って悪魔的なのかもしれない

悪魔が仕掛けた最大のトリックは、ソゼなど存在しないと信じ込ませたことさ。
――映画『ユージュアル・サスペクツ』より

……と、映画史上最も偉大な「クロージングライン(映画で最後の台詞)」と言われている名言を引用しました。

映画を観た人にしか意味が分からないと思うのですが、悪魔って僕ら人間の上をいく悪魔的思考を持ってるよね、って再認識できる良い台詞です。実際はソゼすげーなっていう台詞なんですけども。

なぜこの台詞を引用したかと言いますと、最近友人のにわさんと一緒にマンガ『魔入りました!入間くん』の話をしていて、少し悪魔について考える機会があったからです。

入間くんが一番悪魔だなって

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語ったことを簡単にまとめると、悪魔たちに囲まれて生活するようになった人間の入間くんが主人公のマンガで、にわさんと語ったのは「入間くんが一番悪魔じゃね?」ってこと。

だって、自分の身を守るためとはいえ平気で嘘をつくし、不正も働くし、周りの悪魔をほんわかした気持ちにさせるし。

最後のは全然悪魔的行動ではないように聞こえますけど、悪魔に優しい気持ちを持たせるのって、我々現世の人間に置き換えてみると「普通の人間に殺意を持たせる」ようなもんだから悪魔的と言わざるを得ない

僕の告発をフルで聞いてくれる方はこちら↓

もちろん「入間くんが一番悪魔だ」なんてマンガの中では一切言われません。なんならめっちゃ優しい奴なので、普通に友達になりたいレベル。

ただ悪魔たちに言いたい。お前らそんな優しい気持ちになってて良いのかと。

フィクション作品の悪魔って……

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実際、マンガでも映画でも小説でも、心の底から悪魔的なキャラクターってあまり出てこないですよね。

人間的な思考から外れすぎると感情移入できないからか、「あれ、意外と優しくない?」って悪魔が多い気がします。

『黒執事』の悪魔セバスチャンは主人公シエルと契約しているとはいえ、ちゃんと執事やってるし。

めちゃくちゃマイナーですけど、Netflixオリジナルアニメの『魔法が解けて(原題:Disenchantment)』に出てくる悪魔のルーシーはシリーズのマスコット的立ち位置で、主人公ビーンの飲み仲間でもあります。

統計を取ったわけではありませんけど、パッと思いつく「悪魔キャラ」はみんなどこか人間臭い。なんなら、人間っぽ過ぎて魅力的ですらあります。

でもふと考え直してみると

でも、ちょっと落ち着いて考えてみてください。

最初に引用した台詞から我々は「悪魔はいつでも悪魔的思考において人間を上回っている」ということを学んだはず。

つまり、フィクションの世界に跋扈しているおよそ悪魔らしくない悪魔たちも、主人公たちを――そして読者の我々をも――騙すための悪魔的カモフラージュである可能性は捨てきれないんです。

というより、悪魔ならやりかねない。だって悪魔なんだもの。

「悪魔が仕掛けた最大のトリックは、悪魔など存在しないと信じ込ませたこと」

この言葉が頭に浮かんだら最後、悪魔キャラたちを今までと同じ目では見れなくなること請け合いです。

それでも『魔入りました!入間くん』のページをめくってしまうのは、作品自体が悪魔的な面白さだから。もう騙されてても良いやって思っちゃうよね。

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ってな具合で、今後もマンガを軸にしょーもない話を綴ったり、ラジオで語ったりしていきます。

ラジオはSpotifyApple Podcastなどなど色々なところで配信しています。ながら視聴オススメ!

なんか面白いマンガあったら教えてください。

それではまた!

(C)西修(秋田書店)/NHK・NEP

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