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金メダルは世界一か

文章がお上手ね。羨ましいな。感動しちゃいます。こんな風に書いてみたいわ。

そう言われてあなたは何を感じるだろう。

作家の新作をコメントする機会を得た。批評ではない。批評は良いところを良い、悪いところが悪いと腹蔵なく論ずるから。

良いところは良いとしか書かなかった。
わざわざ敵を作る必要もなかろう。
すぐ返信が来た。

興味深い返信だった。コメントをレビューとして公表できないか。記事で紹介してもらえないだろうか云々。実に興味深い。

返信に感謝の一言がなかった。

もちろん、礼など期待していない。感謝を求めてコメントしたわけでもなかった。

それにしても。

作家のベクトルは外へ向く。自作の評価を広く知らせてほしい。それしか考えない。出版業界を取り巻く環境の問題だろう。

私ならどうするか。

まず礼を述べる。読んでもらえて嬉しい。褒めて頂けた。その喜びを伝えたい。認められたことに満足する。ベクトルは内へ向く。

 ☆ ☆ ☆

オリンピックが近い。

メダルを狙う選手たちも作家と同じだろう。心のベクトルは外へ向かっていく。

自分のためと呟きながら、観衆がいなければ力を出せない。純粋に自己満足のためなら、競技会へ出てくる必要はない。

必要のない人々がいる。

アフリカの大草原。アマゾンのジャングル。アンデスの高地。アラスカの氷山。

金メダリストが足元に及ばない身体能力の持ち主は数えきれないほどいる。そして、彼らがTVカメラの前に立つことはない。

必要としていないのだ。

noteを見て思う。スキやコメントは嬉しい。PVが増えれば喜ぶ。有料にできたらと夢想する。一方で心のベクトルは内へ向く。

どちらが良いかではない。優劣も好悪もない。私たちは二層を得たということだ。

マスへ向け勇み出ていく野心家の一面。スモールコミュニティで穏やかな交流を楽しむもう一つの顔。後は割合の問題だろう。

 ☆ ☆ ☆

ミコリスさんがお書きになった自分との対話。しなやかに一本筋の通った強さを感じる。

柔らかく心の襞をすり抜ける。
内なる空へ広がっていく。
とても清々しい風が吹いてきた。


https://note.com/micorisu/n/n8e3f72a84d26


せらほさんの物語は優しい。色とりどりの題材を鮮やかな起伏で整えながら、どれも優しい。心の迷いを吹き払う力強い優しさ。

物語はいくつもの顔を持つ。
読み手の心模様で変わっていい。
書き手は物語を手放したから。


Mさんが心の襞を辿る。父は思う女性を持ち、病の母に尽くす。母は満たされつつも自分亡き後、どうなるか見越していた。

ご両親とMさんご自身の心の揺れが、映画と重ね合わされ丹念に紡がれていく。

ではまた!






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