【「エルデンリング」ストーリー雑談】考えれば考えるほど、悪意に満ち満ちていてたまらん。

プレイと並行して(やっと「ミケラの聖樹」に来られた。早くミケラとマレニアに会いたい)、相変わらず「エルデンリング」のストーリーについて考えている。
プレイが進めば進むほど、考えれば考えるほどえげつないストーリー(設定)に思える。


◆大元の設定はこういうものではないだろうか?

細かいところはまだ考えきれていないのだが、ざっくり大枠だけをメモっておくと

・「外なる神」アステール(=隕石)が落ちてきた。
・隕石は、大地に朱の腐敗、そこから生まれる蟻、隕石の欠片(琥珀の卵)を生んだ。
・琥珀の卵から人の身体(白銀)が生まれ、そこに蟻が溜め込んだルーン(黄金)を移植することで人は生まれる。
・地下に根が張り巡らされ、地上に黄金樹が生まれたことで、地下で人間(?)が出来る、地上で生まれる、還樹して地下で分解される、というシステムが出来る。
・銀の雫は既に存在する人をコピーするので、次々と同じ外形の人が生まれる。

レナラとラニが親子、マレニアとミリセントが親子、ミケラとラダゴンが親子、メリナの母親が誰かと、ストーリー上に「親子」が何組か出てくる。
だがラダゴン=マリカなら、ミケラ、マレニアは普通に生まれたとは考えられない。ストーリーの様々なイベントやテキストを見ても、「生殖行為によって人間が生まれる世界観」とは考えづらい。

この世界の「親」はコピー元のことを指しているのかなと思った。
セレナのイベントや「肉体の最初の死者」「魂の最初の死者」という言い回しを見ても、魂と肉体が分離可能なのだろう。

モーゴットとマルギットの関係、グラングとマリケスの関係は、コピー元とコピー先、もしくは同じコピー元を持っていると考えた。
黄金樹の律では、還樹されるまでは地上に留まるので、コピー元が一緒の人間(?)同士が同時に存在することはありうる。またコピー元の記憶は淡く引き継ぐのかなとも思う。

移植されるルーンに量によって、外見は(コピー元が)同じでも、その人物がどういう力量を持つか決まる世界なのではと推測している。
五姉妹の中でミリセントだけが、マレニアと同じ力量を持つ可能性があったのもそのためだと思う。

稀人は、かつて狭間の外からやってきた女王マリカの同族であるという。

(稀人のルーン)

肉体はコピーによって大量製造されて、そこに蟻が溜め込んだルーンを移植して、黄金樹を使って連環させているとなると、夢もへったくれもない残酷な世界観だ。
「黄金樹への信仰」は、この生命の連環を美しく見せるために「お話調」に作られたものではないか。

仮に「幼生によって擬態した肉体に、蟻が溜め込んだルーンを詰め込んで、その生命を黄金樹を使って巡回させるシステム」という考えが合っていたとすると、そのうえでメリナに

この世界がいかに壊れ、苦痛と絶望があろうとも生があること、産まれることはきっと素晴らしい。
王を目指す貴方に、生があること、産まれることを否定して欲しくない。

これを言わせるのがすごい……と思ってしまう。
必要最小限のルートでクリアしたら、「メリナの望みでもあった生死が循環する世界に戻せた」という話で終わる。
その「生命」は、蟻がはい回っている腐敗した場所から生まれる、その深層を見せないまま、生命を肯定する律を作らせる、という構図だとしたらかなりえげつない。

遥か彼方、光の無い暗黒で生まれた星の異形。それはかつて、永遠の都を滅ぼし彼らから空を奪った、悪意ある流星である。

(暗黒の落とし子の追憶)

「源流」(世界の始まり)は「悪意ある流星」だと断っているが、それにしても悪意に満ち満ちすぎている。(たまらん)

「律」は人を縛るものだが、その中で生きていることはある意味幸せでもある。こういう底の底まで見たときにそれでも、それを覆い隠す「大いなる意志」に逆らうのか、ととことんまで詰めてくる感じがいい。


◆フレーバーテキストの疑問が解決?したもの。

釜の火が不滅であると知った時、女王マリカは刻印の呪いを施したのだ。
小さき巨人よ。永遠の火守りとして生きるがよい。

(火の巨人の追憶)

ずっと「小さき巨人よ」とは何のことだろう?と思っていた。
「無力」の暗喩かなと思っていたが、ヒューグのことを言っていると気付いた。

「刻印」は、

刻印は、神に見出された者が生涯の使命を与えられた証である。

(ラダゴンの刻印)

なので、ヒューグは鎖を解かれても「火守り」として生きなければならない。

マリカもラダゴンも「刻印」を与えられているので、「神に使命を与えられた者」だ。

マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった。マリカは影従に運命の死の封印たるを望み、後にそれを裏切ったのだ。

(黒き剣の追憶)

なぜマリカはマリケスに宵眼の女王を封印させたのに、後にそれを裏切ったのかという疑問があったが、マリカは自分の「使命」に従って、
「マリケスに宵眼の女王を封じさせる→ラニに盗ませる→黒き刃にゴドウィンを殺させる」
という流れに、最初から乗っているだけなのかもしれない。

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