【すべてのBtoB マーケターに捧ぐ】LinkedIn の活用方法3選

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 株式会社 LIFE PEPPER という海外向けのデジタルマーケティングを支援する会社を経営しています。斉藤と申します。

 仕事柄、日本ではあまり馴染みのないデジタルメディアも多く扱っています。本日はその中でも最近日本で徐々に利用者数が増えてきているビジネス向け SNS「LinkedIn」についてご紹介できればと思います。主に:

①『LinkedIn とは何か?』簡単なメディアの紹介
②『B2B リード獲得のためにどう活用できるのか?』具体的な手法の紹介

 日本では主に「リクルーティング目的」で使われるイメージが強いですが、実は B2B リードを獲得する上でも LinkedIn という SNS は非常に有効なのです

 本日はその側面にフォーカスしてお話できればと思います。冒頭の通り、日本でもユーザーが増えているので、海外だけではなく、日本企業のリードも獲得できます。

 きっと国内の B2B マーケターにとっても参考になると思うので、是非ご一読ください。

【1】LinkedIn とは

 LinkedIn とは「世界最大のビジネスプロフェッショナル向け SNS」です。全世界でユーザー数 6 億人を抱え(参照元)、米国やヨーロッパを中心に 200 ヶ国以上で使われています(中国でも実は使える数少ない SNS です!)

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出典:https://www.oberlo.com/blog/linkedin-statistics

 また、「海外でよく使われている SNS」という印象だった LinkedIn も近年日本でもユーザー数を着実に伸ばしており、260 万人以上の登録者数がいると言われています

 まだまだ Facebook や Instagram など巨大 SNS と比較するとユーザー数は少ない印象ですが、後述の通り、かなりオーディエンスがセグメント化されているので、特に B2B マーケターにとっては欠かせない媒体になりつつあります。

【2】LinkedIn の主な機能

 LinkedIn とはどのような媒体なのでしょうか?ここからは簡単な機能紹介をさせていただければと思います。LinkedIn の TOP 画面は下図の通りです。

<LinkedIn の TOP 画面(出典)>

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 ①プロフィール:下記のような自分の詳細なプロフィール情報を登録することができます。そのプロフィール情報に基づいて検索をかけることもできれば、後述の通り、広告のターゲティングも行うことができます。

居住地・・・どこに住んでいるのか(国や都市など)
スキル・・・マーケティングやセールスなどの具体的に保有しているスキル
役職・・・マネージャーや CEO など現在勤めている会社での役職
会社名・・・現在、及びいままで勤めた経験のある会社名
専攻・・・大学や大学院などの専攻

 ②メインフィード:Facebook と同様にアプリやブラウザを起動すると、他のユーザーが投稿した画像やテキスト、動画などを閲覧することができます。直接的な友達など一時的なつながりのみでなく、友達の友達や、フォローしているハッシュタグ、トレンドに上がっている情報などが流れます

 ③フォロー:特定の LinkedIn ユーザーをフォローしたり、つながることができます。上記のプロフィール情報に基づき、つながりたい人を検索することができるので、昔の同僚から狙いたい営業先まで好きに検索して、つながりの申請を送ることが可能です。

 その他にもメッセンジャー機能も備わっており、既につながっている人だけではなく、新規でつながりたい人にもメッセージを送ることができます(つながりたい営業先企業の担当者を見つけて、メッセージを送ることができます!)

<LinkedIn のメッセンジャー画面(出典)>

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 まとめますと、自分のプロフィールを登録し、他の人とつながり、フィード上で流れる情報を閲覧したり、メッセンジャーでコミュニケーションをしたりと、 LinkedIn の基礎機能は通常の SNS とそこまで大きくは変わらないです。

 ただ、プロフィールにかなり詳細な職務や会社に関する情報が登録されている。その結果、LinkedIn ではビジネス関連の情報が多く流通し、ビジネス目的で利用するユーザーが非常に多くなっています。

 それこそが LinkedIn と他の SNS の最大の違いであり、B2B マーケターにとって他に類を見ない貴重なチャネルになりえる所以だと言えます。

【3】B2B リード獲得の効果的な活用方法3選

 前置きが少し長くなってしまいましたが、ここから要約本題の「どうすればリード獲得に向けて上手く LinkedIn を活用できるのか」具体的な方法を3つまとめてご紹介できればと思います。

具体的なリード獲得方法についてですが、ずばり下記3点です!

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順を追って説明いたします。

活用方法①:企業ページを活用した情報発信

 リード獲得という観点では3つの施策の中でも即効性が一番低いですが、他にご紹介する施策ともシナジーが効き、且つ中長期的に LinkedIn を活用していく上では不可欠な施策です。

 シンプルに LinkedIn 上に自社の会社ページを作成し、定期的に情報発信を行うことで、新たなユーザーにリーチ、自社のサービスの認知度向上、サービス理解醸成を促すことができる施策です。

 下記の通り、LinkedIn では簡単にどの会社でも自社の公式ページを作成することができ、個人と同様に会社として様々な情報を発信することができます。

<LinkedIn 企業ページ(出典)>

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 ユーザーは企業ページをフォローすることができ、企業はフォローしてくれたユーザーに情報を配信することができます(ユーザーのメインフィードに情報が流れるようになります)。

 ここまでは他の SNS とそこまで変わらない内容ですが、明らかに Facebook や Instagram と異なる点が2つあります:

①プロフェッショナル向けの SNS なので、プロフェッショナルなコンテンツが拡散されやすい(見られやすい)
②直接的な友達のみではなく、友達の友達や友達がフォローしている企業の情報もフィードに流れるため、他の SNS と比べてオーガニックでリーチが伸びやすい

<①プロフェッショナルなコンテンツが拡散されやすい>

 B2B 向けのリードを獲得するためには、自社の認知度を高めるとともに、しっかりサービスの理解を醸成する必要があります。下記 LinkedIn ユーザーが好むコンテンツなのですが、ご覧の通り、主に「ビジネス関連の情報」になっています。

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 ユーザーはプロフェッショナル向け媒体として LinkedIn を使っているため、暇を潰すためではなく、「ビジネスに役立つ情報を仕入れるため」 に LinkedIn を活用しています(実際土日祝日は広告の IMP が下がったりします)

 つまり、普通の SNS ではあまり受け入れられないようなビジネス向けのコンテンツも LinkedIn では受け入れられるのです。

 なので、普通に自社のサービス紹介やケーススタディの紹介、社員インタビューを流しても Like がつきますし、シェアもされます。上手く行けばバズって広く拡散される可能性もあります。

 そのため、自社の企業ページを作成し、定期的に情報発信を行うことで、興味関心の高いユーザーにリーチすることができます

<②(比較的)リーチが出やすい>

 では、具体的にどのようにして肝心なリーチやフォロワー数を伸ばすのか。

 Facebook などはなかなかオーガニックでリーチが伸びにくいですが、一方 LinkedIn では冒頭の通り、友達の友達など比較的広範囲のユーザーに情報が届くようになっています

 特に LinkedIn では、下記の通りハッシュタグをフォローする機能があり、フォローしたハッシュタグと関連した投稿がユーザーに届くようになっています(例:#マーケティングをフォローしている場合、#マーケティングとついた投稿がフィードに流れる)

<ハッシュタグフォロー画面(参照元)>

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 なので、定期的な情報拡散を行うことで、新たなユーザーに対してもリーチができ、新規の顧客の獲得のチャンスも高まることになります。

 ※注意:あくまでも他の SNS と比較して拡散されやすいが、ある一定のユーザー数を初期の段階で囲ったり、広告を使わないと大幅にリーチは伸びないです。今後別の機会でどうすればオーガニックで初期のユーザーが獲得できるのか解説していきますが、本記事では主に広告について触れていきます。

<実績/事例>

 実は LIFE PEPPER でも多くの LinkedIn アカウントを運用しているのですが、中には 1 年で 12 万フォロワーまで伸びたアカウントもあります。

 主に B2B 向けの電子機器を販売している企業 様なのですが、結果的に1投稿あたり毎回100 件以上のいいねを獲得でき、LinkedIn ページがサービスや企業理解の醸成に大きく寄与しています。

 残念ながら投稿運用のみだとリード獲得、及び商談化までのステップが多いことから明確な「費用対効果」が計測できないのですが、コメントなどでお問い合わせは一定毎月発生しています。

 あとは Twitter などを積極的に利用されている B2B マーケターであれば理解されていると思いますが、顕在化された成果以上のブランディングによる効果も非常に大きいと思われます

活用方法②:広告配信を通じたリード獲得

 上述の通り、オーガニック投稿でも一定の成果が期待できますが、LinkedIn は広告メニューも非常に豊富で、上手く活用すれば良いリードの獲得源になります。

 LinkedIn 広告活用のメリットを大きく2つにまとめると:

①広告フォーマットが豊富
②ターゲティングの精度が高い

詳細に説明しますと:

<特徴1:広告フォーマットが豊富>

 下記が LinkedIn 広告のフォーマットの種類です。大きく3つに別れており、スポンサードコンテンツ、ダイナミック広告、メッセージ広告の3種類があります(※さらに細かく分類できるのですが、一旦は簡易版をご紹介)。

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 詳細な説明については別途の機会に預けますが、上記説明の通り、ウェブサイト流入やフォロワー獲得、リード獲得に至るまで、各社の目的や目標に合わせて最適な広告フォーマットが利用できる点が LinkedIn 広告の大きな魅力の一つです。

 特に B2B マーケターにとって嬉しい、下記のようなリード獲得に特化した広告フォーマットもございます(興味のあるユーザーはウェブサイトに遷移せず、そのまま情報を登録することができます)

<スポンサードコンテンツのリード獲得向け広告>

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 そのほかにもメッセージ型広告を使えば、ユーザーと対話しながら、実際にフォームの入力などに誘導することができる広告フォーマットもございます。

<メッセージ型広告の会話型広告>

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<特徴2:ターゲティングの精度が高い>

 広告を使えば、LinkedIn 最大の武器である「ビジネス関連のプロフィール情報」に基づいたターゲティングを行うことができます。実際下記のように、年齢や性別、興味感心のみならず、「会社名(個社名)」「業種」「職務」「専攻」などユーザーの細かいプロフィール情報に基づいたターゲティングが可能です。

<LinkedIn ターゲティング一覧>

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 つまり、LinkedIn 広告を使うことで、自社が狙いたい「企業の業種」、「企業」、場合によっては「担当者」までにも情報を発信することが可能になります(会社名を一括で登録することで、ピンポイントでその会社に所属するユーザーにアプローチもできます)。

 しかも、タグをウェブサイトに設置すれば、Facebook 広告と同様に「類似オーディエンス」や「リマーケティング」まで展開することが可能です。

 LinkedIn のみならず、様々なチャネルで自社のサイトに流入したユーザーや、流入したユーザーと類似しているプロフィールを持っている他の LinkedIn ユーザーに広告を配信することができます。

<実績/事例>

 残念ながらまだ国内企業のリード獲得型広告の数字が手元にないのですが、海外向けであれば、下記の様な数字があります:

平均 CPC = $5~$6
平均 CTR = 0.5%~1%
平均 CVR = 5~6%
平均 CPA = $90

 上記の通り、CPC が 500 円前後と比較的高くなりやすい傾向にあります(そもそもの最低入札金額が高いです)。ただし、良いターゲティングとクリエイティブ、適切な広告フォーマットなどを活用すれば、確実に CPA を抑えることは可能になると思います。

活用方法③:プレミアムアカウントでのプッシュ営業

 最後に一番地味ですが、個人的には即効性の一番高いと思う施策をご紹介いたします。シンプルに LinkedIn 上で見込み顧客の情報を検索し、ダイレクトメッセージを送付するというプッシュ施策です。

 既述の通り、LinkedIn ではつながりがなくても、新規ユーザーに対してメッセージを送付することができます。

 しかも会社名や役職、業種や地域などで検索ができるので、ピンポイントで狙いたいユーザーをフィルター、直接アタックすることが可能です。

<プロフィール検索結果(出典)>

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 唯一のボトルネックは通常一人の LinkedIn アカウントが送付できるメッセージの数には上限があり、その上限を超えるとメッセージが送信できなくなります。

 月額 7,990 円を支払い、プレミアムアカウントにアップグレードすることで、その上限が高まるので、安定的にメール送付活動を続けることができます

<LinkedIn プレミアムプラン詳細>

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<実績/事例>

 実は LIFE PEPPER でも LinkedIn を活用したプッシュ活動は積極的に自社のリードを獲得するために行っており(※主に日本の企業 様)、

 1~2 ヶ月ちょっとで既に 10 アポ近く、5 商談前後をかなり大手のナショナルクライアント 様から獲得することができています。

 コールドコールやコールドメールと比べても圧倒的に打率が高く、メッセージ送付にかかる時間/工数を鑑みると、アポ単価や商談単価はかなり低いと感じています。

まとめ

 全体的に少し長くなってしまいましたが、実は各パートでさらに深掘りできる内容はまだまだあります。それだけ LinkedIn は奥が深く、攻略のしがいのある媒体だと思います

 冒頭の通り、国内ではまだまだ利用者数が少なく、あまり注目されていないですが、確実にどこかのタイミングで人気は出るはずだし、今のユーザー数でも十分効果は見込めると思っています。

 逆に注目されていないからこそまだ日本企業で本格的に攻略できている会社が少なく、ブルーオーシャンなチャネルだとも言えるので、B2B マーケターの皆さん、是非テスト的に取り組んでみてはいかがでしょうか。その際にこの記事が少しでも参考になるのであれば何よりです!