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【新薬勉強会メモ】初の経口GLP-1受容体作動薬リベルサスの特徴|4つの注意点

今回は2/5に発売になった「リベルサス」の特徴や注意点など勉強会で知り得た内容を記事にしていきます。

このリベルサスに対しての個人的な所感として、ん~扱いづらい製剤だな~って感じです(´ρ`)

要点
・1回に複数錠服用することはできない。
・DPP-4 阻害剤との併用はできない。
・ファーストチョイス可能。
・PTPを縦に切れない。


基本情報

■リベルサス錠3mg、7mg、14mg
■一般名:セマグルチド(遺伝子組換え)
■2型糖尿病を効能・効果とする、経口GLP-1受容体作動薬

作用機序
リベルサスは、GLP-1受容体に選択的に結合することでグルコース濃度依存的にインスリンを分泌させる。さらに、血糖値が高い場合にはグルカゴン分泌を抑制する。

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出典:https://www.msdconnect.jp/products/rybelsus/action_mechanism.xhtml


経口投与
セマグルチドは、胃の分解酵素により分解されてしまうため、経口投与は適していなかった。

しかし、吸収促進剤であるSNAC(サルカプロザートナトリウム)300mgを含有することで、経口投与が実現した。

セマグルチドの血漿中濃度消失半減期は約1週間まで延長される。


保険診療における留意事項

■本剤14mgを投与する際には、本剤の 7mg錠を 2 錠投与することは避けること。
つまり1回に複数錠服用することはできないってこと。

その理由として挙げられるのが、リベルサスの本来の効果を発揮できない点吸収促進剤であるSNACを計600㎎分を服用してしまうことらしいです。

用法及び用量に関連する注意において、「本剤 14mg を投与する際には、本剤の 7mg 錠を 2 錠投与することは避けること。」とされているので、使用に当たっては十分留意すること。


■DPP-4 阻害剤との併用はできない
「本剤とDPP-4阻害剤はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。」とされているので、DPP-4 阻害剤との併用は避けること。


■ファーストチョイス可能
他の経口血糖降下薬を投与していない患者に本剤を投与する場合は、本剤の投与が必要と判断した理由を診療報酬明細書に記載すること。


調剤時の注意点

シートを切るときは、ミシン目でしか切れない。
→縦に切ったりは出来ない。

理由としては、縦に切ってしまうと、僅かな隙間から吸湿してしまうとのこと。

日数に関しては、疑義照会で調整が必要になってくる。もちろん、一包化できないし新薬なので14日制限がある。


用法及び用量

通常、成人には、セマグルチド(遺伝子組換え)として1日1回7mgを維持用量とし経口投与する。

本剤の吸収は胃の内容物により低下することから、本剤は1日のうちの最初の食事又は飲水の前に、空腹の状態でコップ約半分の水(約120mL以下)とともに服用すること。

また、服用時及び服用後少なくとも30分は、飲食及び他の薬剤の経口摂取を避けること。

PPIやH2ブロッカーなどの併用は問題なし。ただし、他の薬剤との服用時点に注意が必要。特にBP製剤との併用には不向きな製剤だと思います。

セマグルチドはコップ約半分の水より多く水で服用してしまうと、胃内滞留時間が短くなり、吸収が下がってしまうためです。

仮に、BP製剤と併用するとすれば、起床時にセマグルチドを服用し時間を空けてBP製剤を服用。

その後、また時間を空けてから他の薬剤を飲んだり朝ごはんを食べれる。・・・めんどくさくて、注射製剤でよくね?って思ってしまう(笑)


他のGLP-1受容体作動薬

参考程度に
ビクトーザ®皮下注:リラグルチド
オゼンピック®皮下注:セマグルチド
バイエッタ®皮下注:エキセナチド
ビデュリオン®皮下注用:エキセナチドキット
リキスミア®皮下注:リキシセナチドキット
トルリシティ®皮下注:デュラグルチド


まとめ

・1回に複数錠服用することはできない。
・DPP-4 阻害剤との併用はできない
・ファーストチョイス可能
・PTPを縦に切れない

でした(*'▽')

最後まで見て頂きましてありがとうございます。

健康情報やコラム的な記事も投稿してますので、そちらも是非ご覧くださいね!!皆さんの健康に繋がれば幸いです☺

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