『ARIA』~人生に疲れたらぜひネオ・ヴェネツィアへ~

開いていただきありがとうございます。初投稿。

旅行のパンフみたいなタイトルになっちゃいました。タイトルって難しい。

さて、みなさん『ARIA』って知ってますか?2001年から2008年までマッグガーデンで連載されていた天野こずえ先生の漫画で、アニメも三期まで制作されてます。

ざっくりあらすじを紹介すると、少し先の未来、テラフォーミングされた火星(アクア)の都市・ネオ・ヴェネツィアで一人前の水先案内人(ウンディーネ)を目指す少女たちの物語。

↑水先案内人。イタリアでは男性がする職業ですが『ARIA』では女性が行います。

まずこの作品は絵がめちゃくちゃ綺麗。まるで一コマ一コマが美しい風景画みたい。特にカラー絵は圧巻。水の描写、青空、夕焼け、夜の星空…本当にすごい。余計なことは言いたくないくらいので是非読んでみてください。また作中のネオ・ヴェネツィアはイタリアのヴェネツィアがモデルになっていて(というかもうまんまヴェネツィア)、実在する建物や風景が美麗に描かれているのも面白いところ。いつか聖地巡礼に行きたい。

絵だけでも読む価値は抜群ですがとにかく話が素晴らしい。見習いから始まって半人前、一人前を目指していくという物語の大筋はあるものの「元祖ヒーリング系」と言われることがあるだけあって、所謂日常系みたいな部分は強いかもしれません。でもこの作品のすごいところは毎話毎話読者に素敵なことを教えてくれるところ。

この物語では、地球は文明がかなり発達しているのに対し、アクアはまだ開発中。主人公・水無灯里は作中では唯一地球からアクアにやってきた女の子。そんなまだアクアのことを何も知らない無垢な灯里の目線で物語は進んでいきます。

灯里は日常の中で素敵な事を見つけるのが本当に上手な女の子です。でもそれはただアクアのことを知らないからじゃない。みんなが日々を生きていく中で忘れてしまってるだけなんです。灯里が気付いて周囲の人々が思い出す。そして灯里も周囲の人々から教えられる。そんな素敵な循環が灯里を中心に起きていきます。

その中で灯里やその周囲の人々が、生きてるうちにいつの間にか当たり前になってしまったことのありがたさや、普段気づけなくなってしまった人の温かさを読者に教えてくれるんです。

今の変わらない日常に飽きた人とか学校生活や社会生活、今の生活、人生に疲れた人にこそ読んで欲しい。自分が気付こうとしていなかっただけで実は世界はこんなにも素敵なことで溢れていたんだと気づくことが出来ると思います。きっと明日への活力になります。

最後に僕の大好きな言葉を。本当はもっと紹介したいけど一つだけ。

「とっても素敵な事なのよ
日々を生きてるっていうことは
がんばっている自分を素直に褒めてあげて
見るもの聞くもの触れるもの
この世界がくれるすべてのものを楽しむことができれば
この火星で数多輝く水先案内人の一番星になることも夢じゃないわよ
とっても簡単なことなのにみんなつい忘れがちなのよね」

ARIA第4巻より

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