181221_反対運動

組織の何が変わるのか/ 変わらないのかがわからないと、恐くて協力もできません!!~組織の変化に対する抵抗を少なくするために、リーダーは何を語る必要があるのか?

組織の中で何かを変えようと思ったとき、抵抗にあったことはありませんか?

そこには変化への取り組みによって、自分たちが慣れ親しんだ組織が変わってしまうことに対する不安があるのかもしれません。

仮に、前向きだったとしても、"変化"というリスクをとったとしても、ほんとうに成果がでるのか?この方法であっているのか?という不安もあるかも知れません。

こうした不安を少なくし、メンバーからのサポートを得る上で、オランダ、アムステルダム大学のMerlijn Venus氏らが執筆した"継続性のビジョンとしての変革のビジョン"(※)という論文が示唆を提供してくれています。

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本論文では組織変革を進める上で、マネージャーが、「自分たちの組織の大切にしている価値観や信条といったものは、従来通り変わらずに残り続ける」ということをしっかりと伝えることが、メンバーのサポートを得やすくする。

特に、業務や組織がこの先どの様に変わるかわからない状況の時にこそ、その効果は大きくなる、という、定量的な分析結果を紹介しています。

自分達が大事にしていることが変わらない、という安心感を提供することが、変革へのサポートを引き出すことに繋がります。

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この研究結果を現場での取り組みに活かすとしたら、どの様な方法が考えられるでしょうか?

ステップとしては、

①まず自分達の組織にとって、大切にすべき価値観や信条といったものが何なのかを明らかにする。
②そしてそれは、変革の前後で変わらずに維持し続けるということを、リーダーはしっかりと強調して、メンバーに共有する。
③その上で、組織として何を変えず、何を変える必要があるかをしっかりと伝える。

という流れが想定されます。
①のステップを、トップダウンで主導するのではなく、メンバーのみんなを巻き込みながら対話できると更によいかもしれません。

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組織の変革を進める際、メンバーのサポートを引き出していく上で、リーダーのビジョンが重要な役割を果たすということは広く論じられていますが、その際、語るべき内容として、変革の前後で、組織として変わらずに大事にし続ける価値観や信条をしっかりと共有することが重要という本論文の示唆は、いろんな場面で活用できるのではないかと思います。

※Merlijn Venus, Daan Stam, Daan van Knippenberg (2015)"Visions of Change as Visions of Continuity" Academy of Management Journal


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