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脳は、脳だけで身体のエネルギーのおよそ4分の1も使っているといわれています。

それだけのエネルギーを使えば多くの老廃物が生じますが、それがどう処理されているかは長らく謎でした。


リンパの役割の一つに、身体の「下水道」の側面があります。

ですので通常、老廃物はリンパシステムによって運ばれていくのですが、“脳や脊髄にリンパシステムは無い”というのが解剖生理学の通説でした。

それが近年の研究の中で、脳や脊髄にもリンパシステムが存在することが発見され、グリンパティックと呼ばれています。


脳の血管の周りは、アストロサイト(=脳の細胞の一種)の足突起で外壁が形成されていて、これを血管周囲腔と呼び、動静脈のどちらにもあります。

この脳の“静脈の血管周囲腔”が、“リンパシステムの役割”を構成して脳や脊髄の老廃物を除去しているのが確認されたようです。
(遺伝子操作したノックアウトマウスでの実験など。)


この場合、リンパ液になる体液は脳脊髄液で、
《脳脊髄液→動脈→アストロサイト→組織→老廃物を回収→静脈の血管周囲腔→頸部の静脈→肝臓で処理or腎臓で濾過》
の順序になります。

どうやらこのシステムは睡眠中により働くようで、入眠後4時間以上から活性化されると今現在は考えられています。

例えばアルツハイマー病は、脳内の有害なタンパク質の蓄積によるという説がありますが、発症の前駆症状に睡眠障害があることから、これらに因果関係があるのでは?と考える研究者もいるようです。


オステオパシーは、脳脊髄液やリンパシステムへのアプローチも行います。

これといった症状がなくてもなんとなくスッキリしないという時にオステオパシー施術を受けたり、日頃のケアや快活な生活のために定期的に受けることも良いでしょう。



染谷 清行

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