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『中央駅』を読んだ皆様の声

11月12日、韓国文学『中央駅』を発売いたしました。

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本作品は路上生活者の男女の愛を描いた小説です。貧困や格差の果てに路上という空間に押し込められた人間が、もはや何もかも失った先で「愛」をどう表現するのか、それは本当に「愛」と呼べるものなのか、悩み、もがきながら、丸裸にされた自分自身と向き合い葛藤し続ける作品です。

大変ありがたいことに、本作について読者の方からご感想をいただきましたのでご紹介いたします。(※許可をいただいて掲載しています)

「彩流社さんから出る『中央駅』読了。なんか、寂しくなりますたい。こういうの読むと小さくても屋根のある家でほそぼそと幸せに暮らす幸せを絶対死守したいと思いますね。そう、幸せは死守しなければいけないものです。しかし。今、韓国文学は熱いですね。いいものが多い。 リンコさん(@Rinko96130)」
浮浪者として生きていくことを描いているけど、自己肯定と行動を正当化するための理由付けはどこにいても何をしていても同じ。傍から見たら一括りでも個はそれぞれ。自分も出来ないことを色々理由付けて正当化してしまう。 みずたまるさん(@pisuke29)」
極限状態に置かれた人間が何を思い、どのように人を愛するかがよく描かれていると思います。
もし映画化されるなら主役の俳優さん、女優さんは誰がいいかなぁと考えながら読みました。  yuko-a-miさん(@ayumi18616134)」
徹底した他者の不存在に震撼した。果てしなく自己中心的な語り手(その目はこの社会そのものの目だ)がやるせなくて、もどかしくて、リアルだった。もし路上で生きざるを得なくなれば、自分もこんなふうに振る舞うのだろう。そして「全てが公平に滅んでしまえばよい」と思うはずだ。
この社会の中で、ただ生きることは許されていない。「俺たちが広場で人生を浪費することがどうしていけないのか。」むしろ私たちは「有用に」生きることを、当然のことと思わされている。脱落した人は「かなたから来る最悪を待つ」しかない。あえて言えば、その待ち方だけが、微かな希望である。
内的描写は、美しい。「俺は熱い血液を通って全身に酔いが広がっていくのを感じる。それは、俺の中の角という角を削って丸くしていく。角ばっていない世界は扱いやすく美しいとまで感じる。」読んでおくべき小説だった。 Toshihiko Koikeさん(@mruzumakineko)」
「この小説では人間の本質や本能が包み隠さず描かれていて読んでいて重たい気持ちになるけれど、そういう部分が自分の中にもあることを私たちは本当はよく知っているし、普段は見えないフリをしているだけなんだと思う。
路上で生活している人たちの存在を知っているのにまるで居ないように生きようとするのと同じように。街の様子と路上で生活する人々の状況はまるでリンクしないのに共存しているという部分が物語を通して最初から最後までリアルに描かれていて、この小説自体が私たちへの問題提起であるとも感じた。
そしてこの物語は愛を問う物語でもあり、生と死の物語でもある。今の私たちの物語だと思う。「中央駅」を読みながら、先日の台風19号が上陸した時に台東区の避難所でホームレスの方が受け入れを拒否された出来事を改めて考えた。 Ⓜ︎さん(@gobemyk)」
「なんとも救いがたい路上生活者の青年が主人公で彼がいったいどうしてここに来ることになったのかは分からなかった。そういう物語ではなかった。駅前の路上生活者たちのたまり場で出会った中年女性と傷口をなめあう物語だった。
自分たちは絶対こんな風にはならないとか、どうして思えるんだろう。さっきTwitterで見た『誰だって社会の隙間に堕ちることがあるかもしれないのに』というそのツイートがこの小説にめっちゃ合ってると思った。それに韓国小説だけれど、どんな世界のひともきっと分かるように書かれている小説です。普遍性についても考えさせられる構成になっていた。 Flachhugel 真夏日和さん(@MilkBanan) ブクログの記事はコチラ
キム・ヘジン『中央駅』1日経ってからジワジワきてる。
ホームレスの主人公「俺」がどん底に転落してもう何もかも失い、歩行者にがむしゃらに物乞いする。その描写が延々と殴るように何ページにも渡り書き連ねられ、ただ手を出す行為が人間の微かなプライドや尊厳も奪い尽くす非業さを突きつける。 ❄️💎🕊️さん(@s_4_tune)」
「この作品を覆っているのは、持たざる者たちの閉塞感。数パーセントの人たちが富を独占し、弱者はますます苦しい生活を強いられる。そういった状況は世界中で見られるものであるが、主人公となる男女に固有名詞がなく、駅の名前も「中央駅」とするなど韓国的なものをなるべく排除することによって、この作品は韓国文学の枠組を超えたものとなっている。 法水さ
ん(@norimizu)」

皆様、ご感想ありがとうございました!
読書のご参考になれば。

是非手に取っていただければ幸いです。

『中央駅』(キム・ヘジン 著, 生田美保 訳)定価:1,500円 + 税

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