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#69 音程の広い伴奏形を美しく弾くための練習方法とポイント〜特にロマン派に多い!〜

こんにちは、さいりえです。

第69回のオンラインレッスンサロン note は、「音程の広い伴奏形を美しく弾くには?」というテーマでお送りします。

伴奏形については、これまでの note でも何度か取り上げてきました。

今回はその中でも、とくに「音程の幅が広いアルペジオの伴奏形」についてお話します。

とくにロマン派以降、よく出現する形です(古典派以前にも出てきますが)。

たとえば、ショパンの幻想即興曲。

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同じくショパンの即興曲、第1番。

スクリーンショット 2020-10-16 2.59.50

シューマンのソナタ第1番。

スクリーンショット 2020-10-16 3.02.18

※楽譜はIMSLPより引用

ほかにも、多くの曲で出てくる形ですね。

この「広い伴奏形」、きれいに弾こうと思っても

・手が開かずガチガチになる
・全体的に硬くなる
・音の移行がうまくいかず、カタカタ・ガタガタする
・結果、和声感や拍子感、流れが出ない

となることはないでしょうか?

上記のような内容でお悩みの方に、練習で気をつけたいことや練習のステップを、テキストと計23分の動画でお伝えします。

あなたの練習のお供にぜひ一度ご覧ください。



【このnoteのポイント】
・音程の幅が広い伴奏形アルペジオを美しく弾くための練習ステップとポイント

【こんなお悩みに】
・伴奏形がガタガタする
・音が硬い
・体の動きがスムーズじゃない
・ロマン派の素敵な曲にたくさんチャレンジしたい

【このnoteの構成】
・テキスト
・動画解説(計23分の動画)
  ※動画は vimeo のプライベートリンクを共有しています。

【例に取り上げている曲】
ショパン/即興曲 第4番 「幻想即興曲」Op.66
ショパン/即興曲 第1番  Op.29
     ※一例ですので、他のさまざまな曲に応用いただけます。

オンラインレッスンサロンのこれまでの レッスンnote はこちらをクリック

▼幻想即興曲の右手についてはこちらもご参照ください。


広い音程のアルペジオについて

ベートーヴェンなど古典派の曲では、1オクターブ以内の伴奏形がたくさん出てきますが、

ショパンやシューマン、ブラームスなどロマン派の曲には「広い音程の伴奏形」が数多くあります。

※古典派でも広い音程の伴奏形はあります!大まかな傾向のお話です。

この広い音程の伴奏形はなかなかクセモノで、イメージ通りにいかないこともあったりします。

よくある例が、

・硬くなる
・複数の音がまとまらず、バラバラになる
・音量や音色などのコントロールをする余裕がない

などではないでしょうか。

でも本当は、幅が広いことで、空間の広がりや響きの豊かさは増し、音楽がもつ表現の幅は広がるはずですよね。

また、幅の狭い伴奏形と広い伴奏形では、それぞれにふさわしい演奏や弾き方があります。

今回は、幅の広さを生かしながら、次のような点で美しく演奏できるように練習していきます。

・音楽的に、美しく
・和声的によく響かせて
・拍子、流れにのって

大きく3つのステップに沿ってお話、演奏します。

1. ポジションを適切にとる。両端の音と、真ん中の指それぞれの役割
    1-2. 肩から広くポジションをとること
2. 一つ一つの音の響きや表情を確認しながら研究する。
    2-2. 和声感があるか?
3. 拍子、リズム、流れをもって弾く

これらは必ずしも 1→2→3 の順で分けて練習するわけではなく、いつもさまざまな要素を見たり、行ったり来たりして練習するのが良いですね。

それでは、ステップ1から順番にお話していきます。

(動画は最後にまとめて載せています)


1. ポジションを適切にとる。両端の音と、真ん中の指それぞれの役割
 

一つ一つの音符を追いかけるより前に確認しておきたいのが「ポジション」です。

10度以上のアルペジオではとくに、ポジションや体の使い方がとても大事です。

このあたりは、以前の note でも共通したお話・練習方法について触れています。


まずは和音の幅に合わせて、自然で弾きやすく、良い表情が出るポジションを探していきます。

・最高音と最低音の幅を確認して、両方の音を自然に取れること
・ギリギリの幅ではなく、ゆとりをもつこと
・肩からおおらかにポジションをとること

最高音と最低音で大まかなポジションがとれたら、真ん中の指も入れていきます。

今回ご紹介する動画では、

・音の移行に無理がないこと
・真ん中の音はうまく橋渡しすること
・広げようと思ってガチガチにならず、体の根元から一度ゆるめて確認すること
・指の打鍵の方向性や角度は必ずしも一定でないこと

など、いくつかのポイントで詳しくお話・実践しています。


2. 一つ一つの音の響きや表情を確認しながら研究する

ひとつひとつの音を丁寧に聴きながら、歌うように練習していきます。

どうしても伴奏形の連続だと「聴く」ことを忘れがちです。

聴いてはいるけれど、まとめてざっくり聴いているとか、和音としては聴いているけれどラインとして聴けていないとか、いろいろな難しさがあります。

ここでは、いったん「まるでメロディのように」伴奏形を丁寧に美しく歌い、聴く練習をします。

動画の中でも、次のようなポイントでお話、実践しています。

・音価を十分に歌い、聴く
・和声の変化や移行、バランスを把握して、それに沿った響きや音色で
・ガタつくときは、腕やてのひらの状態にバラツキがあることが多い(たとえば2つめと3つめの音で全然手の使い方が違う、など)


3. 拍子、リズム、流れをもって弾く

次にもう少し視野を広げて、大きな流れや拍子感などを見ていきましょう。

・一つ一つを丁寧に確認して練習すること

と、

・大きな流れや、曲のストーリーに沿って演奏すること

は必ずしも一致しないのが難しいところです。

丁寧に練習しながらも、広い視野や、先を見据えたイメージをもって音楽づくりができると良いですよね。

このあたりは、先日の note でも具体的に触れています。


以上の内容を動画で紹介(計23分)

それでは、ここまでの内容を動画で解説、実演しています。

〈動画の内容〉
動画①広い音程の伴奏形を美しく弾くための3つの練習ステップ・概論…約5分
動画②実際の曲を例に(ショパン:即興曲第4番「幻想即興曲」、即興曲第1番より)…約18分

動画①広い音程の伴奏形を美しく弾くために(約5分)


動画②実際の曲を例に(約18分)

ショパンの即興曲第4番(幻想即興曲)と第1番を取り上げています。

が、この曲に限らず、さまざまな曲で応用できるポイントをを、具体的な練習方法や演奏を交えてお話しています。

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動画はこちらです↓

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