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#56 【長いフレーズ、広い世界観】個々の音や動きにとらわれすぎず、その向こうにある音楽のすがたや世界を表現するためには?

こんにちは、さいりえです。

いつもnoteをご覧くださり、ありがとうございます!


今回は、ショパンの練習曲 Op.25-1 を題材に、「音が多い曲で、ひとつひとつの音にとらわれすぎず、大きな世界や流れを描くには?」というお話。

「雰囲気」や「流れ」「広がり」のような、それこそオンラインでは説明や実感していただくことがむずかしいのではないか?という種類のお話です(ですが、オンラインでもお伝えできるようにとの思いで動画を撮りました!)。

また、初歩のお話ではなく、まじめにキッチリと、そして細やかに丁寧に練習された段階の方に役立つ内容かな?と思います。

・きれいにまとめたつもりだけど、なんとなく音楽が動かない。
・もっとふわぁっと雰囲気が広がるように弾きたい…

こんな方に、曲の描き方やちょっとした意識のポイントなどを【テキストと動画】でお話していきます。

▼サンプル動画はこちらです▼

前半のテキスト部分はオンラインレッスンサロン会員の方以外もご覧いただけますので、あなたの練習のお供にぜひ一度ご覧ください。

★オンラインレッスンサロン会員の方は、計13分の動画だけでも内容がわかるようになっています。前半のテキストでざっとポイントをご確認いただいてから動画をご覧いただくとわかりやすいかと思います!

【このnoteのポイント】
・「音」や「動き」にとらわれすぎず、その向こうにある世界や流れを描くには?

【こんなお悩みに】
・音が多い曲で、ついつい音や動きだけに意識がいってしまう
・丁寧に練習しているつもりだけど、音楽が動かない
・もっとふわっと雰囲気を出して弾きたい

【このnoteの構成】
・テキスト
・動画解説・演奏(13分の動画)
  ※動画は vimeo のプライベートリンクを共有しています。

【例に取り上げている曲】
・ショパン/エチュード Op.25-1 「エオリアンハープ」
      エチュード Op.25-2 (少しだけ)
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エチュードなど音が多い曲でありがちなこと

まず、エチュードOp.25-1 の楽譜をご覧ください(楽譜はIMSLPより引用)。

スクリーンショット 2020-07-20 3.49.06

この曲を美しく弾くためには、大事なことがたくさんありますよね。

・指やタッチの細やかさ
・手首や腕の柔軟さ
・美しく繊細な音
・多声の弾き分け
・場面場面での繊細な変化、発展
・その他いろいろ…

この曲は音が多いですし、4分音符ひとつにつき6コの細かい音符があり、またその形がずっと反復しています。

こういう曲は、ガタガタしやすい→音をそろえる→なめらかに弾く という順序で練習、上達していくと思いますが、そこからもう一歩、「音楽を大きく描く」演奏をめざしてみませんか?

今日お話するポイントは、

楽譜に書かれている音や、タッチ、バランス、いろんなことを丁寧に練習してある程度きれいに弾けるようになった。でも、なんとなくその先が「音楽」にならない…

という段階、お悩みをお持ちの方に少し意識してみてほしいこと。

言葉にすると、このようなことです。

・長いフレーズ、長い音楽
・音そのものではなく、その向こうにある世界
・ふわっとした雰囲気や空間

これを意識して練習してみると、きっと演奏の印象がガラッと変わりますし、弾いているあなた自身の感覚や見える景色も変わってくるのではと思います。


長いフレーズ感や雰囲気のある演奏に必要なこと

では、そのためにはどうすれば良いか?ですが、まずはじめに2点のポイントをお話します。

・音楽をどのように描くのか、というイメージを見つけて描く
・呼吸、体の単位を変える

このエチュードの冒頭8小節は、音楽的にも、また和声的にも、本来はとても穏やかで、すうっと芽生えてきて、ほんの少しの変化があって、また元の場所に戻ってくる…というようなものです。

決して、拍ごとや小節ごとに、よいしょ、よいしょ、とたくさん動く音楽ではありませんよね。

その穏やかな長〜い道のりに沿って、音楽を描き、また自分の呼吸や体の動きをひとつながりにしていきます。

まずは音を出さずにいくつかの方法を試してみてください。

たとえばこのようなことです。

・曲に沿って、2小節で息を長〜く吸って…2小節で吐く
・2小節で空中になだらかな曲線を描き…2小節で帰ってくる

バスを弾きながら、音楽の進み方をジワジワ〜と感じながら、呼吸や体をひとつながりに発展→収束させてみます。

それが感じられたら、その大らかな動きに、曲をふっと乗せていきます。

ただし、このときにある程度技術的にも進んだ状態でないと、うまくいきません。そうでないと、気持ちはおおらかに流れているつもりでも、音がバラバラになってしまったりします(このとき手を固定して音を揃えようとすると、ますます硬くなってしまいます…)。

手の中が整っていると、ふっと音楽の前提を変更しただけで、ガラッと演奏が変わります。

この曲の細やかな練習方法、タッチなどについては、今回は本題から外れるので触れていません。もしご質問などありましたら今後のnoteで取り上げますので、会員の方はお気軽にどうぞ!


曲のはじめ方もとても重要

また曲のはじめについては、とくに重要です。

最初の瞬間に音や体を固定して始めてしまうと、そのままの感じでずっと進んでいってしまうからです。

・楽譜上の最初の音ではなく、もっと前から音楽が流れている。また音楽だけでなく、呼吸や体も。

右手も左手も、開始音ではなく、その前から空気を感じ、動きを感じてください。

このあとの動画でも実際に実演しています。

曲のはじめ方がいかに重要か?というのは、過去のnoteにも書いていますので、よろしければお読みください。一部の動画は全体公開になっています。

ここまでを動画で解説(13分)

ここまでの内容を動画にまとめました。

実際にショパンのエチュードOp.25-1を弾きながらお話、演奏しています。

終わりにOp.25-2も紹介しています!

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