眼下のサッカーが見えない:2018 J1第7節/ FC東京(A)

◆眩しすぎて
味スタアウェイ側に来たのなんかFC東京が降格した年の広島戦(佐藤寿人が見たくて行った)以来だと思うんですけど、今回は上層に座っていたため選手が豆~! 背番号すらまともに見えねえ~ナイトゲームで照明も強いからめっちゃぼやけてしまう~(これは視力の問題なのでどうしようもない)って頭を抱えていました。
この試合、平日開催にも関わらず18,000人くらい人が入ってて、J1様はすげえな~って感心してしまった。おれはJ1を舐めてた。J1はやっぱすげえ舞台だよ。18,000人の中には上京したてで研修終わりにやってきたのであろう新入社員グループっぽいのもいっぱいいたし(4月なので!)ネットミームに全身毒されたやつとかいて地獄を垣間見てしまったので、マジでJ1を見に行く時はもう自由席は辞めようと思った。

ところでこの試合の前々日あたりにナショナルチームに大きな動きがあり(ハリルホジッチの解任)、陰謀論とか裁判とかそういう話が飛び交ってる中で試合を見に行くという状況でした。
鹿島のほうは「うちも解任して」的な空気があるっぽい(気持ちは分かる)けど、怪我人の関係で開幕時点からスクランブル態勢が続いてしまっている以上、首挿げ替えて終わりの話じゃないと思うんだよな。いや替えてもいいとは思うけど、それ言ったら石井さん解任がそもそも間違いだったという話になりそうだし、勝てない理由がそこじゃなかった時に今度は何を責めるんだろうと思ったりしますね。いやおれは鹿島に関してはフィジカル系の問題のほうが根深いと思いますが(深井正樹のフィジカルコントロール失敗を根に持ってるタイプ)…。

◆FC東京戦
開始2分くらいで山本が怪我をしまして、鹿島はもうスクランブルどころじゃねえ。もうまともにDFライン組めないのでは…という状態になってしまった。試合開始から流れるように交代したので10分くらいに「山本大丈夫だったのかな…」とか思ってたらもう西に交代してた。
鹿島のボランチの組み合わせが永木+三竿(健)だったのでガチガチで来たか正しいぞって思ったけど、今日の試合は昌子もいないし山本が下がってしまったらもうそれは望めない…。交代出場した西はサッカーうまいし状況判断もしっかりした選手だけど、怪我明けで、しかも満足にアップできないまま6分に放り込まれたたらさすがに厳しい。増して永木+三竿(健)、犬飼との組み合わせは初めてだし終始フラフラしてしまう…これはスクランブルっていうか崩壊するべくして崩壊してますね…。
ってハラハラしてたら室屋に蹂躙されてしまった。マジの蹂躙ですよ。あと逆転後にFC東京が米本を出してきた時の絶望感がヤバかった。これは完璧なクローザー…って感じでもう点を取らせてもらえないのが分かってしまった。高萩も大森も良かったな~…終盤には鹿島にボールを持たせても良い、という判断がしっかりしてたし、FC東京の中盤がめちゃめちゃに良かった。FC東京に関しては去年のグダグダもあるし長谷川健太もどうなの? って思ってたし、鹿島は金崎がゴールしたから最低でも追いつけるだろとか思ってしまったのは間違いだった。FC東京のサポーター、今年は楽しいだろうなと思った。
鹿島、特筆するとしたら点が取れないとかではなく(それは元々だろうという気がする)、スンテ神までよく分からないミス(相手へのプレゼントパス)が出てきてしまったこととゴーオーイワが加速度的に痩せてきている事なので、今15連戦の真っ最中というのは本当に本当に運が悪いとしか言いようがない。このチーム全体がパニックになってる状態で中断まであと10試合以上あるとか地獄でしょ。怪我人が多すぎてチーム全体のレベルを落としてリーグ戦に臨まないといけないのも辛い。純粋に可哀想な状況だなと思う。

◆その顔
試合終了直前の満男の顔が、石井さんが解任された頃と同じ感じがしてイ、イヤだ~!!! お前のそんな顔は見たくねえんだ~!!! って思った。満男は今ピッチに立つことがあって、自分で解決できることもあるから(実際満男がいるだけでCKとかめっちゃ選択肢増えるよな…)余計にそんな顔は見たくねえんだ~!!! ってなってしまう…。満男…。



◆代表の話
まあ触れといたほうが後々の自分の為になりそうだったので触れておくんですが、「オールジャパン」については東京Vが去年、ひいては一昨年のシーズンを以て「ムリ」という結論をクラブレベルで出したんですよね…。
件の2017リーグ最終戦を見た観客14,541人は聞いたと思うんですけど、東京Vは社長自ら「日本のサッカーは発展し、もう諸外国から学ばずとも日本人の力でやっていけると思っていた。『でもそれは間違いでした』」ってことをはっきり言って、続けてロティーナとイバンに深く深く感謝したんだよね。おそらく東京Vの「オールジャパン」は予算の関係もあって建前も含まれてると思うんだけど、本質は東京Vというクラブの矜持みたいなもの(俗に言う「ヴェルディらしさ」だ!)を捨てられなかった、外の世界のスタンダードを学べず向上できなかった、それは『間違い』でした、ってことだったんだよな。東京VはJの中でも周回遅れになっていて、応援を続けていたおれ自身もずっとずっと周回遅れの只中にいたというのを自覚したんだよ。ずっと気付いてなかったけど。選手も多分そうだったんじゃないかな…。
おれはね、ロティーナとイバンが来てからのうちのサッカーが好きなんですよ。とても美しいと思う。90分+ATの間に受け取れる情報量が多くて刺激的で、週の半ばには早く東京Vの試合が見たいと思ってしまう。
ロティーナ体制になった17シーズンのはじめの頃、スタジアムでボロボロに泣いてしまった試合があって、いやボロ負けしたとかではなくて、目の前の試合があまりに美しくて、面白くて堪えきれなかった。今思えば目から鱗が落ちた、という状態だったんだと思う。
それからもうすぐ1年経つ訳だけど、おれが長いこと拗らせていた選手への依存心がどんどん軽くなっていて(もちろん居てもらわないと困るな~って選手はいるけど)、皆が試合では絶対ではない、より良い選手が居たらきっとポジションを奪われるし、クラブから出ていくし、おれもそれを納得するんだろうなという状況になってきている。これは多分めちゃめちゃ健全なんだろうなと思うし、その上で、これまでで一番試合に夢中になっている。そうか、これがクラブが強くなっていくことかと今さら実感してるんだよな(冷静になったらおれが東京Vサポーターになってから継続的に上り調子になったことはほぼなかった! 初体験かもしれない!)。
周囲が変わって、新しいステージを目指そうとするなか、まさかナショナルチームが逆走を始めるなんて思わなかった。会見での言葉はすべてが恐ろしかったし、おれが、東京Vが一昨年まであの最中にいたんだと思って震え上がった。ナショナルチームがW杯直前に、2部リーグの底辺に沈んだクラブと同じ(というかより非道い)判断をするなんて未だに信じられないという気持ちが拭えない。悲しかった。失望して、絶望してしまった。終わったと思った。ナショナルチームが放棄したものがデカすぎると思った。決定的だと思ったのはナショナルチームにとってはおれみたいな奴は必要がないんだなということだった。長期的な成長に興奮されても困るし、試合で戦略的なメッセージを求められても困る、選手に依存してくれなきゃ困る。確かに、おれが今サッカーに抱いている気持ちは、ナショナルチームが求めるものに激しくミスマッチを起こしている。
ただ、おれはやっぱり成長して強くなっていくクラブに夢中になっている事実は正しく健全なことだと思うので、今回JFAが下したナショナルチームの成長を拒否する判断や考え方は『間違い』だと思うよ。

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