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【選手名鑑Vol.4 松葉由剛】ーSAINTS絶対的守護神の苦難と展望ー

立教大学男子ラクロス部SAINTS、3年にしてユースのアメリカ遠征でも大活躍、鉄壁の守護神である松葉。
彼はいかにしてラクロスと出会い、ゴーリーというポジション転換を決断し、ゴーリーにのめり込んでいったのか。



ラクロスとの出会い

幼少期から野球を続けてきた松葉。松葉は高校の野球部を引退した直後に立教大学の硬式野球部から声がかかるほどの実力者でもあった。しかし松葉は大学では勉学に勤しむことを決めていたためその誘いを断った。そんな中、中学時代の野球部の先輩であり、ラクロス部でATとして活躍していた斉城(4年AT)からの熱烈なオファーを受け、その場でラクロス部への入部を決意した。

活躍と挫折

なんとなくラクロス部に入部した松葉は入部当初、持ち前の身体能力の高さで点取り屋として活躍していたこともあり、ATを志すようになる。サマー時は活躍が評価されAチームに登録されていた。しかし一か月の留学とサマーの予選が被り、出場をすることができなくなってしまった。留学先では壁当てなどをしていたが、一か月のブランクが空くことに一抹の不安を覚えた。そして留学から帰ってきたときその不安は的中した。一か月間で同期のプレイヤーは凄まじい成長を遂げていたのだ。結果、帰国後に挑んだサマーの本戦は1秒も出ることは出来ずに悔しい思いをした。

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1年の頃の松葉(右端)

ゴーリーへの転向

サマーが終わった後、当時二年生の増田(現四年G)に衝撃の一言を言われた。“ゴーリーをやってみないか” “絶対嫌だ”松葉はその時そう思ったと言う。しかし網の大きいG専用のクロスを持ちゴーリー体験をしたとき当時の主将の青木(G)と現ヘッドコーチの上島に“センスがあるからゴーリーやってみなよ”と言われた。サマーの一か月のブランクでの周りと実力差がついてしまったこと、何が何でも試合に出てチームに貢献したいという思いから松葉は首を縦に振った。ゴーリーになってからは“自分が守ってウィンターで優勝する”という思いを胸に、努力をし続けメキメキと実力をつけた。ウィンターでは努力が報われ、大活躍を見せた。“もしかしたらユースに選ばれるんじゃないか”そう思ったという。しかし、選ばれなかった。

二度目の挫折、そして復活

ユースに選ばれなかった松葉は“その後あすなろまではめちゃくちゃ努力したとは言えない毎日だった“と言っている。学部での勉強が忙しくなったこと、ユースに選ばれなかった落胆などの要因が重なり練習に100%本気にはなれなかったのだ。しかし、ある日衝撃の連絡がきた。そう、ユース候補生として召集されたのだ。”嬉しいよりなぜ自分が選ばれたのか驚きだった“と松葉は語った。しかし同時に”絶対にユースに残ってやるぞ“という気持ちが芽生えたという。そこからは一心不乱に努力を積み重ねた。毎日血のにじむような努力をした。誰にも負けない努力をした。努力が実り、ユースとしてアメリカ遠征に行くことが決まった。大活躍してやると心に決めた。
“アメリカでは日本との実力差に驚愕した”松葉はこう語る。初日は3Q出場したが10失点してしまったのだ。2日目からはアメリカの選手達の豪速球に目が慣れてきて止められるようにはなったがそれでも実力差に辟易とした気持ちになった。しかしレベルの高い仲間とするラクロス、レベルの高い相手とのラクロスは凄まじい刺激になるとともに、松葉の気持ちに変化を生み出した。“ラクロスって、ゴーリーってめちゃくちゃ楽しい”
“この経験で自信が生まれ、もっと上手くなりたいと思えた”と松葉は語る。

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ユースとしてアメリカチームと闘った松葉と櫻井(3年MD)

チームの守護神としてアメリカ遠征を経て大きな成長を遂げた松葉は3か月間という長いコロナ期間でも凄まじい努力を続けた。Aチームに入ったことによる責任感、もっと上手くなりたいという向上心が松葉を努力の化身へと進化させた。
そして新たな思いが芽生え始めた“チームのために動く”ということ。
きっかけとなったのは松葉が信頼を寄せている先輩である丸田(現4年 学生コーチ)と同期の山本(現3年DF)と桜井(現3年MD)の言葉だ。
丸田には“3年生では土田(現3年AT)がいまチームを引っ張ってくれている。松葉も一緒になってチームを引っ張って、土田を支えてやってほしい”と
山本、桜井には“チームのこれからのこと松葉も一緒に考えようぜ”と言われた。“チームに必要とされている。チームのために自分がやらなければならない”松葉はそう感じた。それからというもの、チームのことを考えて本を読むこと、チーム内での発言が増えた。自分にコミットするだけではなくチームに対してもコミットしていくことの重要性に気づいた。
“世代最強のゴーリーになり、チームを引っ張って日本一に導きたい”
松葉は力強い声でそう言った。

これからの松葉の活躍がとても楽しみだ。

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松葉に声をかけた丸田(4年学生コーチ)


執筆:山縣飛翔

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