日本初開催・ギフテッド教育の国際研究大会「The 18th Asia-Pacific Conference on Giftedness(通称APCG2024) 」参加ご報告 その4
最後の基調講演
あっという間に最終日となりました。9時からペーパープレゼンテーションがあり、その後最後の基調講演がありました。基調講演は、Bridges Graduate School of Cognitive Diversity in Educationの学長兼最高学術責任者のMatthew Fugate博士によるテーマ「Supporting the Needs of 2e Students: A Strength-Based Perspective」をお聴きしました。この方はアメリカからオンラインで講演をされました。
Matthew Fugate博士が考えるADHD/2eの子どもたちの教育の実現で目標とすべきことは、
1)ポジティブな学習環境を育むこと
2)強みに重きを置いた視点
3)課題領域の認識
の順で大切と述べられ、子どもを変えようとはせず、それぞれの子どもの個性を受入れることから全ては始まると述べられていました。
学びに困難を抱える子どもたちのサポートは、つい弱みに目が行ってしまいがちですが、強みのサポートを優先させる視点を持つことの重要性を改めて学びました。
閉会式
基調講演に続いて、閉会式が行われました。実行委員長の愛媛大学・隅田学先生がご挨拶をされました。
2年前の2022年、隅田先生の呼びかけにより第18回のAPCGを日本に誘致する活動が始まりました。前回(2022年)の開催国である台湾で隅田先生がプレゼンテーションをされ、数ある候補国の中から日本開催が決定しました。今回は、同時開催で各国の中学生を招いたユースサミットも行われており、2年間の準備活動はどんなに大変だったかと想像いたします。
今回の研究大会は「Asia-Pacific 」と銘打っているように主にアジア地区の研究者が対象ではありましたが、基調講演にはアジアのみならず、北米やオセアニアのギフテッド教育を牽引する著名なスピーカーの方々が登壇されており、隅田先生のご尽力とご調整の賜物だと感じました。
誘致活動の時点では私も実行委員として参加をしておりましたが、健康上などの事情があり(今は元気になりました)、実行委員を途中でやめさせて頂き、今回は一参加者として高松に参りました。途中で抜けてしまった私を隅田先生をはじめ実行委員の皆様が大変温かく迎えてくださり、本当にありがたく感謝の気持ちでいっぱいです。
最後に
ドイツではギフテッド教育の国際会議が開催された後に国内でギフテッドの子どもたちの特性への認知が広く知れ渡ったと聞いております。多くの皆様のご尽力で日本での開催が実現したAPCG2024。日本でもギフテッドの子どもたちの認知とサポートがさらに広がることを心から願っております。
私は2019年にWCGTCの世界会議に参加して、各国のギフテッド教育事情を目の当たりにした時に「日本に世界会議を誘致したい! 世界の様々な情報を日本人に知って欲しい!」と思ったことが昨日のように思い出されます。5年の間にジワジワとではありますが、国内でギフテッドの子どもたちの存在が知られるようになり、今回の会議で日本での実績報告をする団体が複数出てこられたことをとても感慨深く感じております。
ギフテッドの子どもたちの存在を知って欲しいと始めた活動も、今回の研究大会で一段落という気持ちです。大会で学びや刺激をたくさん頂き、新たな人脈にも恵まれました。今後、自分なりに何が出来るかを一度立ち止まって考えてみようと思っております。
これからもマイペースで活動を続けて参ります。皆様、引き続きよろしくお願いいたします。
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