サイコロ塾2ndシーズン、始めました。
この9月から、東京都港区のアフタースクール、クランテテ三田にて、
サイコロ塾を開催することになりました!
福岡で行っていたボドゲ道場と少し形態を変えてのスタート。
目標を、「ルールを学び、ルールを創造する」として、
新たなスタートを切ったサイコロ塾の実際の様子を
これからお伝えしていければと思います。
初回は傑作協力カードゲーム「ザ・ゲーム」を使った
レッスンをしましたので、
どのような流れで進めたかや、
子どもたちがどんな学びを体験したかを報告します。
1 「ザ・ゲーム」のルールを知ろう!
サイコロ塾2ndシーズンでは、
まず子どもたちと一緒にゲームのルールを読んでいきます。
よくできたボードゲームのルールは、
「論理立てられている」「例外処理が書かれている」
ため、子どもたちの読解力を向上させることにとても役立ちます。
まだまだ初回ですので、講師といっしょに読んでいきます。
すると、子どもたちは文章を1つ1つ噛み砕きながら、
完全な理解ではないものの「なんとなく」ルールを掴めたようでした。
今は「講師が書き下した文章をいっしょに読んで理解する」段階ですが、
いつかは「自分たちで元のルールを読んで理解する」ところまで
行けることが1つの到達点かなと考えています。
*詳しい「ザ・ゲーム」のルールはコチラをご覧ください。
さて、「ザ・ゲーム」のルール上の大きなポイントは次の2つです。
>ゲームプレイ中、具体的な数字を言ってはいけない
>すでに出されている数とちょうど±10のカードは昇順・降順にかかわらず出すことができる
これらのルールに関して子どもたちの理解はどうだったでしょうか?
2 ゲームをプレイしてみよう!
ルールをみんなでいっしょに読んだら実際にゲームをプレイします。
子どもたちは、「具体的な数字を言ってはいけない」という
ルールをよく守ってプレイしていました。
たまに、衝動的に「あっ」ということはありましたが、
それでも注意深く数字を言わないようにしながら出すカードを
選んでいました。
もう一つの「ちょうど±10のカードは出すことができる」という
ルールはどうかというと、
いまひとつ使いどころがわかっていないようでした。
というのも、ちょうど±10の組み合わせのカードが
手元のカードにあったとき(例えば「21」と「31」)に、
「昇順」のカード置き場に、「31」→「21」と置けば、
数字を余計に進めることなくカードを出すことができますが、
子どもたちはそのことに気づいていないようでした。
ルールはわかってはいても、使えていない状況でした。
ここが、わかって、使える状態になることが1つの目標ですね!
さて、そんなこんなでプレイは進み、1回目はあえなく
残り35枚のカードを残して敗北となってしまいました。
3 ゲームから学ぼう!
「ザ・ゲーム」をただただプレイするだけではなくて、
わざわざ「サイコロ塾」でプレイする理由は、
子どもたちに学びを意識しながらプレイしてもらうためです。
今回は、「程度や量を伝えるコミュニケーション」をテーマにしました。
「ザ・ゲーム」では、具体的な数を言うことができないのに、
カードを昇順または降順に効率よく出していかなければいけません。
この「効率よく」というのが曲者で、
できれば数と数の間を大きく空けたくない、
けれど連続する数字を出していくことには、
子どもたちの連携が必要です。
子どもたちも、「できるだけ連続する数字を出していく」ことが
重要であることに気がついていて、
1回目からチャレンジはしていました。
ところが、子どもたち同士のコミュニケーションがうまくいかず、
実際には可能だった連続出しが成立しないことがありました。
そこで学んだのが、「程度や量を伝えるコミュニケーション」です。
例えば、誰かが「ちょっと待って」と言う時、
その「ちょっと」は何秒・何分あるいは何時間を表しているでしょうか?
「少し」なら?「すごく」なら?「ほんのちょっと」なら?どうですか。
子どもたちに、具体的に数と数の間の間隔をイメージしてもらい、
それぞれだったらどんな言葉を使うかを考えてもらいました。
もちろん、人によって「ちょっと」は異なるので、
その感覚の違いをゲームプレイ中に探っていくことも添えて。
さてさて、ゲームプレイがどう変わるかな?
4 もう一度ゲームをプレイ!
学びを経て、再挑戦です。
一番大きく変化があったのは、子どもたちが、
「ものすごーく」「ちょっと」「ここはやめて」
といったコミュニケーションを取るようになったことです。
程度・量を意識したコミュニケーションが少しできるようになりました。
とはいえ、ザ・ゲームの難易度は高く、
2回目も残念ながら33枚を残して敗北となりました。
1回目よりも残りカードの枚数を減らせたことに、
講師としてもホッとしたところでした。
5 ゲームプレイを振り返ろう!
さて、ゲームプレイが終了したら、
ゲームプレイを振り返って、子どもたちに感想を聞きます。
・・・
・・・
・・・
が、すっかり失念していて尋ね忘れていました!
初回で緊張していたのですね・・・次回こそ。
最後に今回のまとめとして、
「曖昧な表現で程度や量を伝えるコミュニケーション」と、
「具体的な表現で程度や量を伝えるコミュニケーション」について、
子どもたちといっしょに考えました。
前者は、まさにザ・ゲームのプレイで体験してもらったコミュニケーションです。
ザ・ゲームにおける「ボードゲーム」という文脈では、
そのコミュニケーション=具体的な数字を言ってはいけない中で、
行われる程度や量に関するコミュニケーションこそ、
ゲーム自体の「面白さ」を生み出している要素なのですが、
実際の生活場面では「困るよね」ということを共有しました。
そして、じゃあ、どんな表現を使うと相手に伝わりやすいのか、
「例えば、先生がお茶を持ってくる間「ちょっと待って」っていう場合はどう言い換えればいい?」
と尋ねてみました。
すると、子どもたちからは、
「長い針が1周する」とか、「漢字の書取りを1行分するくらい」とか、
あるいは、手を広げてジェスチャーでその程度を示してくれたりとか、
具体的な表現を出してくれました。
子どもなりの表現で、感心するとともに、学びが定着してくれると
嬉しいなあと思います。
6 終わりに
サイコロ塾のレッスンは、このあと片付けをみんなで行って終了です。
9月は、「コミュニケーション」をテーマにしています。
次回は、TEAM3を取り上げます。
今度も、通常のコミュニケーションにいくつかの制限を設けながら、
目標を達成していくゲームです。
子どもたちには、それぞれのコミュニケーションの特徴や違いに
目をむけてもらえたらと思います。
また次回!
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