“優しいサブスク“から学びました
今の世の中、実に様々なジャンル/テーマの「サブスク」サービスがあります。
矢野経済研究所の調べによると、サブスク市場の規模は2020年が8,692億円で、それが2024年には1兆2,422億円まで成長する見通しとのことです。
自分を見てみても、Apple Music無しの音楽生活はもうあり得ないな、と思いますし(同じ楽曲のレコードもCDも持っているのに)、dマガジンは本当に便利だな(dマガジンに入っているのを忘れてコンビニで買ってしまうことはあるけど)と思います。
で、このサブスク業界に新たなスタンスが生まれているそうなのです。
自動で料金の支払いが終了!
家電サブスクを行っている「レンティオ」。
こちらは、同じ製品を使い続けていると1〜3年で自動的に料金の支払いが終了し、かつ返品もしなくて良くなるそうです。
通常のサブスクは使っている間はずっと料金を支払わないといけないものですが、この会社は2020年11月から上記のような形にサービスモデルを変更、その対象の商品は3,000種。
変更当時は損が出たそうですが、支払いを終えた消費者は新たな商品をレンタルする傾向が強く、今では前サービス時代に比べて利用は4倍!とのことです。
「不親切なことはやめよう」
レンティオも、当初は通常の“使い続けている間は料金を支払う“モデルだったのですが、社長の三輪謙二郎氏はある時に決意しました。
「もう、お客さんに不親切な仕組みはやめよう」と。
普通?のサービス形態の変更やチューニングは、「どうしたらもっと売上が上がるか?」を起点に考えることが多いのではと思いますが、三輪さんは違ったのです。
実は、ネットフリックスも
昔、ケータイに色々なサービスが有料で付くようになった時、あるキャリアの方とお話しをしていたら、儲けのポイントの一つは“解約忘れ“なんですよ、と言っていました。
その時は、それはそれで売上の上げ方として、なるほどねー、と思いましたが、時代は変わって来ている、ということです。
サブスクビジネスの成功の象徴とも言えるあのネットフリックスも、です。
実は2020年6月から過去1〜2年料金を払いながらも試聴をしていない人にはメッセージを送り、継続の意思を示さなかった場合は自動解約をするシステムになっているのです。
「親切」がビジネス成功のキーワード?
以前、ここで「マーケティングというスタンスは時代遅れ」ということを書きましたが、上記の流れもこれにリンクするのではないかな、と思います。
世の中の人々を「自社が収益を得る対象=マーケット」として捉えるのではなく、「自社が幸せにする対象」として捉えていくこと、これが実はこれからのビジネスのスタンスだと思うのです。
それがビジネス成功のキーワードになるのだ、ということは、前述のように「レンティオ」の成長を見たら明らかなのではないでしょうか。
誰が?どう幸せになるのか?
そう言う私も、企画を組み立てたりそれを形にするべく動いている時に、ついつい「どうしたら成功するだろう?」という思考になっている時はあります。
そして、そんな時は「あ、いかんいかん」と、企画を思いついた時の“原点“に戻らねば、です。
それは「誰がどう幸せになるか」。
常にそこに立ち返りながら、世の人が少しでもHAPPYになるものを創っていけたらと思います。