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ごはんたべた。

仕事の休憩中に
時々行くラーメン屋さんがある

わざわざその店を目指して行く程の味ではなく
その日の予定と流れで辿り着くことがある

昼時はもう過ぎているというのに
今日の店内はやけに賑やかだった

大きなリュックを背負った男の子が二人
楽しそうに話している
発音が少し違うから遠くの街から来たのだろう

まだ幼い四人組の男女は
学校の名前を出しながら笑って話している
どうやらこの近所の子供達らしい


彼らはきっと、夏休みの旅の途中
日常の舞台でさえ非日常に変え
お友達と思い出の大冒険しているのだと思う


どうかあの子も今頃…と
心の中で無事を祈る





そういえば少し前、なんとなくテレビを見ていた。テレビなんてほとんど見ないのに、どうしてつけたのかはわからない。本当に久々の感覚だった。

父と子の少し感動的な場面があった。全然気にならなかったし、それよりもお菓子の袋を開けるかどうかを考えていた。


「眼…潤んでる…よ…?」


彼女にそう言われるまで、自分が泣きそうになっていることに気づかなかった。

テレビを消した彼女に抱きしめられると、歯を食いしばってたくさんの涙をこぼしていた。たぶん引くくらい泣いてた。


優しくしてくれた彼女に、お菓子をあげた。

思い出したら、ちょっと恥ずかしい。

和歌山の海と弁当と親指。

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