「やりたいからやるんだよ。」

ギャラリーをやりはじめて二ヶ月になる。
あっという間な二ヶ月で、戦いまくりの二ヶ月で。でもこの二ヶ月が一番ロンドンに来てから面白い二ヶ月になった。

自分は戦っているという状況が好きだ。自分のギャラリーがある場所はロンドン市内のショーディッチエリア。駅を出てグラフィティだらけの道を歩いて、ギャラリーに向かう。壁の絵は毎日ものすごい速度で変わってく。近くに画材屋も二件あって、数え切れないぐらいのギャラリーが近所に沢山あって。駅に降り立った瞬間にアートの戦場のリングに上がる感覚になる。なので1日1日クタクタになって家に帰る。街中がエネルギーに満ち溢れてる場所は、自分も思い切り立たなければやられてしまいそうになるから。「今日だって」と思って立ち向かう。

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まだギャラリーを初めて二ヶ月しか経ってないが、少しずつ足を運んでもらえるようになって来た。何度も遊びに来てくれる人もいて、じっくりと見てもらえるのは嬉しい気持ちになる。

何か伝わったことがわかると自分の作品や芸術に対する姿勢が言葉や人種の壁をぶち壊して心が触れ合えた気持ちになってとても嬉しい。

自分はこの一年と少しの間言葉と人種の問題に立ち向かうことが本当に多かった。なのでそういう瞬間が本当に嬉しい。噛みしめる。

ロンドンに到着した時、ほぼ英語力ゼロのまま来て、その直後に日本の人にわざと英語で話しかけられたのが何度かありとても悔しかった。(その人は他の日本の人には日本語を使ってた。)でも悔しいことばかりが、自分を強くしてしまう。

「なめんなよ」

頭のどこかで鳴ってる声。人生の中でよくこの声が聞こえる。

そのいじわるな出来事があって、英語を猛勉強した。1日5時間リスニングと話すことに徹したおかげで、ギャラリーで簡単なコミュニケーションや運営ができるようになった。

英語に限らず、芸術でもなぜだろうか。私はいつも悔しさが自分の大きな力になっている。ずっと前から気がついていたけど、心地が良い感覚だとどうしてもかっこいいものが描けない。

腹が減ってる感覚。イライラしてる感覚。ああ、世間。と憐れむ感覚。

フラストレーションばかりが俺の背中を押すんだ。

ギャラリーに全然人が来ない日もざらにあるけどそういう日はずっとイライラしてる。窓を見ると素通りしてる人が沢山いる。日本の人が外から見ていたので、「よかったらぜひ見ていってください。」と言ったら「え、大丈夫です。」と言われる時もあり。煙たそうな表情に肩を落とした。

ムカつく。ムカつく。ムカつく。

自分がイギリスで挑戦することなんてほとんどの人は知ったことじゃないんだよな。と俺の胸を刺してくる毎日。でも一から新しい場所で始めるってこういうことだ。芸術家を目指すって言った時もこういう風が吹いていた。

世間なんてずっと俺に向かい風ばっかり吹かしてきやがる。と思う。一瞬何か掴んだ時だけもてはやされてまたポイ捨てする人が沢山いて、嫌になる。毎日のほとんどが芸術に向き合う時間で、展覧会や表に出る時間ってそれを考えると1パーセントぐらいで、それまでふつふつとほとんどがフラストレーションでできてる身体でキャンバスにぶつかる。

「誰にも理解なんかされなくてもいい。自分のやりたいことだけやって死のう。」

芸術家になるって思ったあの小さなアパートの部屋。

決心した気持ちはそれだけで。それだけしかなくて。情けないぐらいに。でも誰にも求められなくても、「やりたいからやるんだよ。」そんな気持ちがどこまでも連れてきてくた。

「やりたいからやるんだよ。」

結果がついて来ない時にこの言葉を吐いても世間は見向きもしないけど、どうでもいい。バーカ。FUCK。それでもやりたいことやってどうにかしてやるからな。って気持ちで私の「やりたいことをやるんだよ。」を握り続けたい。

それで、勝ちたい。めちゃくちゃやってそれだけで勝ちたい。

だってそれで勝てなきゃこんな世の中なんてクソじゃないか。と真剣に毎日思ってる。

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