シャンピニオンの指輪 | 写真・詩
シャンピニオンの指輪つけて
なんとも想像し難い
不恰好なリング
ただ美しい緑に包まれた森の中で
キンモクセイの香りに誘われて
小走りで向かった
妖精たちは人間の愚かさを嘲笑い
森の主は私の味方ではないと言った
如何にもこうにも
ここで暮らしていくには難しそうだ
餌に寄って来た猫を
なんとか味方につけて
薄っぺらい毛布で今日も眠る
「それでも、もう現代社会には
戻りたく無いからねぇ」
とぽつりと独り言を呟いて
明日からこの森で
どう生きていくのかを考える
そうしているうちに
猫も私も眠りについてしまった
やることはこれからも山積みだ
それでも。
朝まで寝れなかったあの頃に比べたら
まだまだここで
生きていけそうだ
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