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岡山県にある天満屋というデパートで展示会を開催する。

岡山県と言えば「桃太郎伝記」の発祥の地というイメージがあるが、実際のところはどうかわからない。中国地方の一つの地域という印象が正直なところであるが、遠い親族が岡山県の北部(日本海と瀬戸内海とのちょうど真ん中ぐらい)にある真庭市で花森商店(パン工場など...)を営んでおられ、数年前、親戚が入院していた高梁市の病院に倉敷駅から伯備線に乗り換えて向かったことを少し思い出しているところです。

今回、久しぶりの岡山入りで、喫茶店で時間を過ごしていると耳に入ってくる岡山弁のイントネーション。柔らかくていいわぁ〜♪

ちなみに、天満屋と言えば女子陸上競技部の活躍が全国区で認知されているかと思うけれど、僕にとってみれば『天然コケッコー』(くらもちふさこ著)という漫画のイメージがまだまだ鮮明に残っており、中国地方を代表する企業として、この地域の生活に大きな影響力があるのは揺るぎないんじゃないのかな。


「赤穂ギャベ展」のご案内

開催日時
2020年1月14日(火)~ 22日(水) 
各日10時 ~ 19時半 会期中休み無し

会場
〒700-8625 岡山市北区表町2丁目1番1号
岡山天満屋5階 
下りエスカレーター横 イベントスペース

天満屋さんの営業力というか顧客力だろうか、会期中のイベントで企画したワークショップは開催前に予約が埋まりました。感謝です♪

<赤穂ギャベとは>

百年余前、赤穂ではシルクロードによって運ばれた大陸の絨毯をもとに、日本の風土に合わせ綿糸でつくられた手織りの絨毯「赤穂緞通」が生まれました。羊毛を使った手織りの絨毯ギャベは、遊牧民が日々の暮らしの中で実用品として使うために織られています。その広漠な草原や山岳地帯の光景はシルクロードを通して瀬戸内の海辺の開放感へと繋がっています。
... そんな思いを馳せながら、赤穂緞通の織り手の有志があつまって開発した敷物を「赤穂ギャベ」と名付けました。


いい道具があれば、いい品ができるわけではない

ふりかえると「赤穂ギャベ」事業に関わり始めて半年ほどが経とうとしている。外から見ている僕の感覚としては、天満屋のある岡山市は赤穂市からだと備前の山間を越えてたどり着く近くの都会なんだと感じており、歴史的に畿内周辺と九州地方と人の往来が盛んであっただろうし、自ずと文化は似てくると思っている。

一畳サイズの絨毯である緞通(だんつう)は鍋島緞通、堺緞通、赤穂緞通を日本三大緞通としてひとつの歴史があって、その系譜を遡ってるとシルクロードの線上に各地に産業が生まれていたのだと推測できる。その後、絨毯製造の現場は時代背景に戦争も加わり、織り機やハンドフック製法などの機械化が進み、産業として赤穂緞通が途絶えたとされている。

椅子敷きとしては、鍋島でも作られているし、全国の絨毯工場でも商品化されている。近隣だと岡山市の少し西にある倉敷市の「倉敷本染手織研究所」で学ばれた方が作っている「倉敷ノッティング」が全国区で認知もあって、天満屋に来られる方でもご存知の方は多く、当然、比較対象になっているようだ。

赤穂ギャベは、赤穂緞通の技法をベースとしていることから、綿糸を用いて、経糸に結んでいくダブルノット(ペルシャ結び)で、赤穂では結ぶことを「はせる」と呼ぶ。基本的には10番手の綿糸を24本ほど合糸したものを結んでいく。撚糸した糸は使わず、合糸しただけの糸を櫛でといでから経糸に結ぶ。ひと目ひと目結ぶごとに均等に揃えて、への字に曲がった腰折れ鋏で切り揃えていく。赤穂緞通のように柄を摘み揃えていくことは少なく、柔らかい印象を残している。

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赤穂緞通は何故だか反物などで用いる水平機を用いており、赤穂ギャベでも同じ機を用いる織り手もいれば、市販の卓上機など小型で使い勝手が良い機を用いる織り手もいる。どの機が良いかという判断は実績を重ねていくことで何か見えてくればと思っているが、何にしてもいい道具があれば、いい品ができるわけではない。


備忘録、京都から岡山へ

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岡山の路面電車。このスマートな形状は惚れる♪

京都から岡山へは新幹線で向かったんだけれど、ざっと1時間で到着した。普段、京都から赤穂までは在来線(新快速)で2時間半ぐらいかかっていたと思うので、兎に角早かった。帰りは時間に余裕もあったので、高速バスにしたんだけれど、渋滞もないシーズンもあってか3時間ぐらいで帰ってこれた。電車に比べるとゆったり座れるし、途中休憩もあるし、バスはむしろぜんぜんありだわ。

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僕のnoteは自分自身の備忘録としての側面が強いですが、もしも誰かの役にたって、そのアクションの一つとしてサポートがあるなら、ただただ感謝です。