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行動経済学とUXが関わる2つの事例

ごあいさつ

はじめまして!
ディレクター/UXデザイナーの相良です。
今年の4月に新卒でアジケに入社しました。
大学では、情報系の学部でデザインについて学んでいました。

本日の記事では、行動経済学とUXの関係性について考えてみました。

執筆に至った経緯

社内で、話題になっていたUXに関する本「UXデザインの法則 最高のプロダクトとサービスを支える心理学」を読んでみたところ、数年前に読んだ、誰でも簡単に行動経済学を学ぶことができる本「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」と内容が似ている箇所、共通する箇所がありました。

そこから行動経済学とUXはとても近しい領域なのではないかと強く感じ、行動経済学とUXが結びつく事例を探したくなったことが執筆の経緯となります。

 行動経済学とは?

一般的な経済学は、「人は合理的な意思決定をする生き物である。」と考えますが、行動経済学は「人は非合理的に意思決定をする生き物である。」と考えた学問です。
具体例として

A. コイントスで表が出たら3万円もらえる。
B. コイントスで裏が出たら2万円支払う。
このコイントスゲームに、あなたは参加しますか?
出典:https://drm.ricoh.jp/lab/psychology/p00013.html

という2択があった場合、Aの期待値が高いにもかかわらず、B「裏が出たら2万円取られる」というリスクを嫌い、参加を辞退するという人の割合が多くなるという結果があります。

これは人間が、期待値という合理的な数値よりも、目先の損失やリスクを避けたがるという心理が行動に現れた結果となります。
このような人間の心理や行動に着目し、人間の経済活動について学ぶのが、行動経済学です。

 UXと行動経済学の関連性

UXを学ぶ際によく言われるのが、「ユーザーの声を聞くのではなく行動を見ろ」ということです。
すなわち「UX」と「行動経済学」に共通して言えることは、ターゲットとする人の行動を見ることが大事であるということです。

ここが私がUXと行動経済学に関連性があると感じた点です。
それでは、行動経済学とUXが結びついた例を二つ見つけてきましたので、見ていきましょう。

実例紹介1

・旅行予約サイト「じゃらん」の場合

画像3

上記の画像のように
「あなたの他に15人が見ています。」といった表示を出すことで、思わず「他の人も注目しているし、いい宿なのかなあ」と思ったり、「先に予約を取られたらまずいから、早めに予約しよう」という気持ちが生じますね。

利用されている性質 
・損失回避性:
「予約が取れないかもしれない=損失を回避する」

・バンドワゴン効果:
「人が持っているもの、人気のあるものが欲しい」

「じゃらん」では、この二つの効果が働き、ユーザーの予約を促進する狙いがあると思われます。

実例紹介2

・音楽サブスクリプションサービス「Spotify」の場合

Spotifyのようなサブスクリプションのサービスは、定額料金を支払い続けることにより、「お金払ってるし、一個でも多く動画をみなきゃ」「利用しないと損だ」という感情をユーザーに与えます。

その結果ユーザーは「サービスをより多く使う」→「生活に密着したサービスになる。」というサイクルが生まれ、そこに拍車をかけるように「ユーザーごとのおすすめ作品」を教えてくれる機能など、サービスを使い続けることでユーザー毎に最適化する機能は、他の類似したサービスに乗り換えようと考えた時に、ユーザーを引き止める効果があると思います。

画像2


実際私も、上記画像のようなおすすめ機能が、かなり自分の好みに最適化されているので、Spotifyよりも月額料金が100円程度低いサービスを見つけても、他のサービスに乗り換えようという気が起こらなくなってしまっています。

「せっかくおすすめ機能を育てたのに、他のサービスでもう一度育て直すのはめんどくさなあ」と思ったり「プレイリストを作成し直すのはめんどくさいなあ」という感情があるためSpotifyから離れることができません。

またサブスクリプションサービスは、支払いをする際のアクションが、初回のクレジットカード登録だけで済んでしまい、固定費用として毎月何らかのアクションを行うことなく支払いが済んでしまうため、お金の意思決定をする際に、総合的・合理的な判断をせず、狭いフレームの中で判断してまいがちになります。

利用されている性質
 ・現状維持バイアス:
「たとえ有益であったとしても、知らないものや経験したことのないものを受け入れることに心理的な抵抗が生じ、現在の状況に固執してしまう傾向。」「安定した現状が無くなってしまう損失を避けたがる。」

・メンタルアカウンティング:
「お金を全て同じ基準で比べるのではなく、使用する度に基準を設けて価値を考える。」

「Spotify」では、この二つの効果が働き、一度利用を始めたユーザーが他の類似するサービスに乗り換えにくくなると思われます。

おわりに

UXと行動経済学が結びついたサービスは、まだまだたくさんありますが、本日は2点を紹介させていただきました。
インターネット上のサービスに活用されているUXと結びついた行動経済学を見ると、利益を生むために活用されたり、ユーザーを離さない中毒性を生む工夫として使われているものがほとんどであると気が付かされます。
そのような点から、真にユーザーのことを考えた行動経済学とUXとは何か、一度考えてみる必要性があるのかもしれません。


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