今月の一枚（2021年9月）

「スズメバチ襲来」
ミツバチにとって、恐ろしい敵スズメバチ。うまく対策をしないと、数万匹の群が全滅させられてしまうくらいの力を持っています。

さがみこベリーガーデンにも、そのスズメバチが襲来する季節になりました。

スズメバチは、夏の終わりころ、ミツバチを襲いにやってきます。なぜ夏の終わりになるとスズメバチが襲来するようになるのかというと、春に女王蜂が一匹で作り始めた巣がどんどんと大きくなり、ハチの数も多くなるのがこの時期だからです。

では、なぜミツバチを襲いに来るのでしょうか？それは、ミツバチや、ミツバチの幼虫、巣の中にあるハチミツを女王や幼虫のエサにするためです。

襲いに来るスズメバチには種類があります。今、さがみこベリーガーデンに来ているのが、キイロスズメバチ。巣の近くに飛んでいるミツバチを空中でとらえ、肉団子にし、巣に持ち帰ります。

やっかいなのが、オオスズメバチ。4㎝ほどになる巨大なスズメバチです。ミツバチの巣を見つけるとフェロモンを出し、仲間を呼びます。アゴの力が強いのでミツバチを次々と噛み殺します。ミツバチの巣は木でできていて、入り口は、ミツバチがちょうど出入りできるサイズになっています。なんと、オオスズメバチはアゴを使って木を削り、中に入ってしまいます。やがて巣を占領。こうなってしまうと、群は全滅してしまいます。

高品質なブルーベリーを作るお手伝いをしてくれるミツバチたちをなんとか守りたい。というわけで、捕獲器というものを設置しました。

水色で囲ってあるものが捕獲器です。

スズメバチは、ミツバチを捕らえるために、赤矢印の方向に飛んでいきます。スズメバチはミツバチを捕らえると上に飛んでいく習性があります。すると、細い赤字の小部屋に入ります。その部屋は袋小路になっていて、やがてスズメバチは餓死します。

このように大量にとれることもあります。

しかし、スズメバチも生き物であり、自然にとって必要だからこそ存在していることを考えると、申し訳ない気持ちになることもあります。

自然からの恵みは、こういった犠牲の上に得ることができることに気づかされました。