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”次の時代の一次産業”をつくろう~新年のあいさつにかえて


あけましておめでとうございます。
たまエンパワー㈱㈱さがみこファーム代表の山川勇一郎です。

激動の2020年が過ぎ、2021年の夜明けを迎えました。
昨年、武漢で発生したコロナウィルスは、瞬く間に世界に広がり、世界を一変させました。日本国内の感染者数も増加の一途です。混乱はまだ当分続いていくでしょう。

そして、コロナ以上に人類にとって最も深刻な脅威は地球温暖化による気候変動問題です。気候変動の影響は既に様々なところで出ていますが、昨今「観測史上初」の巨大台風や集中豪雨が毎年のようにやってきて、自分が住む地域がいつ災害に見舞われるかわからない時代になりました。

このような時代において、個人や社会には何が求められるのでしょうか?

ひとつのヒントになるのが、経済評論家の内橋克人さんが提唱する「FEC自給圏」という概念です。

Food(食料)
Energy(エネルギー)
Care(医療・介護・福祉)

人間が社会生活を営むために必要なこれらの要素(Food/Energy/Care)を自給するコミュニティを地域でつくる。内橋さんはその重要性を説いています。

人類はその歴史の中で、自分たちが生きる上で必要なものを自分たちの手から切り離し、貨幣によって交換する社会システムを作ってきました。それは人々に物質的な豊かさをもたらしましたが、他方、必要なものをお金でしか買えないような社会では、災害や感染症などが起きれば、物流や電力はストップし、人間は無力です。

私たちは3.11の原発事故に衝撃を受け、地元でエネルギー会社を興し、エネルギーの地産地消を進めてきました。こうした取り組みは「ご当地電力」や「地域エネルギー会社」などと呼ばれ、日本各地に広がっています。しかし、気候変動はますます深刻化し、そしてコロナ禍に見舞われた今、エネルギーのみならず、食料や医療・介護・福祉を地域で自給することの重要性がいつになく高まっている気がします。

私たちは約2年半前から相模原市の前戸地区で、太陽光と農業を一体的に行うソーラーシェアリングのプロジェクトを進めています。(50種類のベリーが楽しめる体験型農園「SAGAMICO BERRY GARDEN」
プロジェクトの詳細は別の記事に譲りますが、私はこの地で、次の時代の一次産業のモデルをつくりたいと思っています。地域に食とエネルギーの自給拠点を作り、それをビジネスとして成り立たせることで、28万ヘクタールある日本の耕作放棄地を再生する一つの選択肢を示したい。

農園のコンセプトは「みらいを耕そう」です。
農園に訪れた人が、食やエネルギーについて楽しみながら学び、自分たちの暮らしの中で実践し、自ら未来を切り拓いていく。そんな仲間をたくさんつくりたいと思っています。私は一次産業の現場こそ、食やエネルギーといった暮らしに必要なことを「つくる人が育つ」場にふさわしいと考えています。教育は机上ではなく、本気の生産現場で行われることで説得力を増します。そうした実践的な学びの場をここに創っていきます。

また弊社は、全国各地の農家や、自治体レベルの脱炭素化の取り組みの支援も行っています。これらは全て、個人や農家や地域がそれぞれのレベルで、自ら必要なものを生み出していくという点で共通しています。強靭でしなやかな社会づくりのチャレンジが全国各地ではじまっています。

コロナによって世界は一変し、社会は未だ混乱の渦中にいます。少し引いた眼で見れば、今訪れている変化の多くは、既にあったものです。ただ、社会の表層には出ていなかったため、多くの人にとっては身近ではありませんでした。

都市から地方への人の移動、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換は、集中から分散へ、社会システムの大転換のはじまりを意味します。そのような大きな流れがコロナによって一気に加速したと言えます。

社会の転換期には一定の混乱はつきものです。

人間が生きるために必要な食料やエネルギーを地域で自給することで、最低限の生活のベースを確保することは、混沌とした世界を生き抜く上で極めて重要です。
その上に立って、それぞれが得意分野を活かして社会に新たな価値を生み出し、安心で幸せな社会をつくっていく。その絵姿は多様であっていいし、地域毎に異なる取り組みが今後たくさん生まれていくでしょう。

そういう時代の変わり目に立ち会えることに最高にワクワクしています。
さあ、いっしょに次の時代をつくっていきましょう!

【プレ会員募集】
「SAGAMICO BERRY GARDEN」は2022年春のオープンを目指して準備を進めています。現在オープンに先立ち、プレ会員を募集しています(2021年1月31日まで)ぜひ会員にお申込みください!申し込みはこちらまで

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