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ジムに行くにはもったいない朝

 長い冬が終わるころ、桜がどこかでぽつりと咲き始めるころ、たまにジムに行くにはもったいない朝が来る。
 どんな朝かというとあまりに日差しがきれいで、風も穏やかで、妙に早く起きて時間がたっぷりあるよう朝だ。ふとベットから身体を起こしてみれば体調も悪くない、眠くもない。ちょっとカーテンをあけてみれば気分もよく、いよいよいつもと全然調子が違う事に気づくそういう完璧な朝だ。

 先日の平日の朝、ちょうど午前だけ休みをとっていた私はそんな朝を幸運にも迎えることができた。
 運動不足は気になるところだけどそれ以上に陽を浴びないともったいない気がして、電車にのってもいい距離にあるカフェにコーヒーを飲みにいった。

 たまたま休みをとった日に、こういう完璧な朝が重なるのはかなり難しい。近年アラサーになって気付いたのだがどうやら私はPMDD(月経前不快気分障害)というやつらしく、生理前の一週間が絶望的にメンタルの調子が悪くなるのだ。

 とにかくやる気が起きず布団から起きれない、全てが悲しく、何をやるにしても気持ちが疲れて、億劫なのだ。そして猛烈に眠い。加齢によって酷くなるタイプなのか去年から受診して薬を飲んでいるのだが、こいつがまたきつい。
 圧倒的に胃が荒れる。
 一緒に胃薬も飲むのだが、飲むと吐き気が酷く何も喉を通らなくなる。それでもあの絶望的な気分に陥るよりはマシなのだ、が、本当につらい。
そうしてようやくこの一週間の絶望メンタル時期が終わると生理にはいる。ちくっとばかし腹は痛くなるが気分は爽快になるのでいい感じだ。こんなことを毎月繰りかえす。メンタルと体調がベストの時なんて一ヶ月のうちで何日くらいだろうか?

 いつも毎日がこんな快調だったらいいなと思うけどどうしようもない。
「ピル飲めばいいじゃん」なんてという人もいるけど、あれは血栓リスクもあるし誰もがみんな使うべきものじゃないんだよね。。

 当たり前のことなんだけど全てを完璧にする完璧な薬はないし、そんな手術もない。この世のどこかにいるらしい完璧な健常者に転生するくらいしか方法はない。調子が悪かったら「やれやれだぜ」と自分にとっての普通の調子の悪い生活を過ごすしかないのだ。

 今日はそういう素敵な日がいざ来たときに精一杯楽しめるように、素敵な日を覚えておくために書いている。(絶望メンタル期間の時は本当に全てに絶望してるからね笑)

 私に完璧な朝は毎日来ない。
 でも、ときどきふらりとやって来ては生きてるっていいわと思わせてくれる。それが私の毎日だ。

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