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タマネギの2つのすごい機能

佐賀県とタマネギ

料理に欠かせないタマネギ。甘みのある春タマネギを水にさらしてサラダに、冬の寒い夜にタマネギのてんぷらに、季節を問わず子供も大好きなカレーに。その一大産地(北海道に次いで全国2位)佐賀県。その成分は昔から研究されており、幕末維新期活躍した佐賀県出身の偉人、黒田チカ博士(日本で最初の女性化学者)の学位論文もタマネギ成分に関するものなんです。タマネギの機能性成分としては、抗酸化力があるとされ血行や血流を改善する「含硫化合物」や、ビタミンCの働きを助ける「ポリフェノール成分ケルセチン」が知られています。

タマネギを切るとなぜ涙が出るのか?

ところで、タマネギを切るとなぜ涙が出るのでしょうか?タマネギを切ると細胞が壊れ、中にある物質が混ざり合ってできる「硫化アリル」や、イオウを含む「含硫アミノ酸・イミノ酸」が目や鼻を刺激すると粘膜を守るために涙がでるという仕組みなんです。ちなみに、細胞をあまり壊さずに切るためによく切れる包丁を使うとか、空中に飛び散る物質を減らすために水にさらすという方法が有効だそうですよ!

タマネギのすごい機能①

さて、本題に戻って、タマネギのすごい機能を2つご紹介します。高脂血症という病気をご存じですか?
・総コレステロール220mg/dl以上
・LDLコレステロール140mg/dl以上
・HDLコレステロール40mg/dl未満
・中性脂肪150mg/dl以上
のいずれかを満たす場合に高脂血症とされています。人間ドックや身体検査などの血液検査結果で、これらの項目は目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。高脂血症の原因は遺伝的な要因の他に、過食や高脂肪食、運動不足などの生活習慣やストレスが関係しています。放置すると、脂質が血管の中に溜まって動脈硬化になり、ついには心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。そんな高脂血症にタマネギが有効であることがわかりました。タマネギの涙を出す成分「含硫アミノ酸」に、肝臓内で脂質とタンパク質が結合することを阻害するMTP(ミクロソームトリグリセライド転送蛋白)阻害作用があることを食品で初めて発見したのが、さがフード&コスメラボの栁田ラボ長をはじめとする研究チームです!

タマネギのすごい機能②

メタボリックシンドロームが病気の予備軍であることは2020/12/25の記事でご紹介しましたが、アルツハイマー病の増加に関連していることが報告されています。日本国内で行われた調査では、メタボな人は認知症にかかるリスクが、そうでない人に比べて1.7倍も増加することが分かりました。アルツハイマー病などの認知症は、加齢に伴う血管の老化に起因すると言われています。これまでの研究でタマネギポリフェノールの主成分「ケルセチン」は抗酸化作用、抗炎症作用、脂質低下作用などがあることがわかっています。そのためにたまねぎの成分は酸化ストレス(言わば体のサビ)を抑え神経細胞の損傷を和らげることにより認知機能を維持すると考えられています。タマネギを3か月食べた人に軽い認知症への予防効果も認められており、近い将来、佐賀県の主要産物であるタマネギが認知症や生活習慣病の予防に活用される日がくるかもしれませんよ!

たまねぎ

<お問い合わせ>
さがフード&コスメラボはメタボリックシンドロームに効果のある佐賀県産農林水産物を見出す研究を行っています。この研究に興味・関心をお持ちの事業者様はこちらへお問い合わせください。
電話:0952-37-9182
メール:sagafc@mb.infosaga.or.jp


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