見出し画像

祭りだ祭りだ、遊べや遊べ

昨日は町内の秋祭りでした。
たまたま役員の順が回ってきていた僕に
あてられた役割は
スマートボールコーナーでした。

スマートボール、ご存知でしょうか。
写真を見せれば、あぁアレね、と
わかっていただけるのでしょうけれど
あいにく写真を撮り忘れました。

ので、言葉のみで説明を試みます。
スマートボールは、お祭りの露天にある遊びです。
金魚掬いとか、射的などの親戚です。

パチンコ台を斜めに寝かせたような形状で
手前にばね仕掛けの太いスティックがついていて
それでピンポン玉より少し小さい石製?のボールを
盤面に打ち放ちます。

そうすると、そのボールは、盤面に打たれた釘にぶつかり
あちこちコースを変えながら下方に落ちていきます。
盤面には、球よりやや大きい窪みがあって
ボールのコース次第では、その窪みに落ち着きます。

盤面にある窪みは4×4に並んでいて
ボールが1列に並べば、お見事ビンゴ!となります。
ボールは、昨日の場合だと10個もらえて
その10個を使い尽くす前にビンゴを狙うわけです。

なんとも単純で、素朴な遊びです。
これが、しかし、大人気だったのです。
ITを駆使した複雑なゲームに慣れている子どもたちが
夢中になって何度も遊びます。
打ち方の強弱を工夫したり
複数のボールを一気に打ってみたり
工夫しながら、飽きずにビンゴを狙い続けるのです。

この様子を見ながら
なんでこんなに夢中になるんだろうと考えました。
それはもしかしたら
体を動かして、手に触れるモノに働きかけて
そのモノが動いて、動きが目に見えて音が聞こえて
それを見ているみんなが歓声をあげてリアクションする
ということが影響しているようにも見えました。

なんというか
スマートボールの体験には
コンピューターゲームにはない
手触り、手応え、一体感、自分がやってる感が
強く滲んでいるようなのです。

その夜、ニュースを見ていたら
自給自足している家族の話題が放映されていました。
そのお父さんが言うには
塩やらコメやら、買う方がずっと楽だけど
自分で作ったものを自分で食べる喜びは
何事にも代え難い、とのことでした。

スマートボールに熱中する子どもたちにもも
この自給自足家族にも
私たちが心身の奥底にずっと持っていて
先祖代々受け継いできた大切にしたい何かが
潜んでいるように思います。

それはもしかしたら
目の前の現実に対して
自分の心身を使って
自力で意味を与える
という心地よさ
なのかもしれません。

山川さんの記事を読みながら
昨日の祭りを振り返り
そんなことを思いました。

冨永良史(safeology研究所 研究員/発創デザイン研究室 代表)

いいなと思ったら応援しよう!