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体調とメンタルはリンクするという好例

お国柄、「あー。お友達と話したいな」と思っても話せないことが多発しています。せっかく相手にWeChat(任国版ラインのようなもの)をダウンロードしてもらっても、相手のいる国によっては数日で凍結されて使用不可になってしまったりね(主にアフリカ)。

思うように通信も繋がらないし、たまにはここにありのまま今思っていることを書こうと思う。

女の人なら、もしかしたらわかる人もいると思うのだけれど、外部刺激に対して過剰に反応してしまう時期があるんだよね。

怒りやすくなったり、落ち込みやすくなったり、考えがまとまらなかったり。忘れ物をしやすかったり、根気が続かなくて作業が滞ってしまったり。

それって、悲しいかな仕事の出来不出来に直結するのよね。
ですので長いこと認めたくなかったのですが、認めなければ認めないほど、どんどん悪化してしまうもののようです。

そんな時期は他人に迷惑をかけないように、できる限り家に引きこもり嵐が去るのをやり過ごすようにしています。

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【部屋から。別に漆原を閉じ込めるためではない鉄格子】

ここ数ヶ月。
緊張と慌しさに誤魔化されていた日常でしたが、ゆっくりと自分と向き合う時間ができたのか、なんだか急に引きこもりたくなってきました。

いえ、引きこもろうとするのですが、うまいこと引きこもれないのです。

今気になっているのが以下です。
・夜遅くまで窓の前で大声で集会(私の家は1階)。
・家の前含めてつばを吐きまくり(音が何度も何度も響く)
・窓の目の前がバイク置き場で、昼夜問わずバラエティに富んだ警報音を
いつまでも鳴りっぱなしにする
・食事の際、骨などを机にぺって出す文化があるのだけれど、席数の少ない職員食堂でもそれをやる人がいる(食器は片付けても、吐いたものは机にそのまま残っている)←これ、引きこもり関係ないですね。
・閉められない窓があるので、いろいろな虫がジャンジャン来る
・上階のトイレの汚水配管が上から下にストンと来ていて、ウチのトイレ内で直角に管が曲がるので、配管内を流れているものが如実にわかる(ご飯を作っていても、リビングでのんびり食べていても、突然汚物がビチャン!と降ってくる。辟易。)
・近くに病院の工事現場と、学校の裏門があるので朝7時から夜11時過ぎまでクラクションが絶えない。

ひとつひとつのことは死ぬようなことでもないし、日本でもあることはあるし、ほかの協力隊員を見渡したら「そんなこと」って感じる事柄ですし、普段は気にならないのですが、なんだか突然心が折れそうです。

同国の先輩隊員は、「みんな自分が良ければいいと思ってる節はあるから、そのメンタリティを見習って日本語で文句を言うか、むずかしければ(集会にむかって)アダルトビデオを流して気まずい雰囲気を作ればいい」と有難いアドバイスをくださいました。(余談だけど、後者のウェブサイトは政府と利用者との熾烈なイタチごっこがあるらしい。熱量よ。)

協力隊員の全員が全員、いつもキラキラとした隊員ライフばかり発信しなくたっていいと思う今なのです。

最後に、この国に一番必要なのは環境教育隊員でも看護師隊員でも教育隊員でもなく、衛生を教える隊員だったと思います。

環境教育は現地レベルがすでに高く協力隊員のレベルでは能力不足だといいますし、看護師も「実習生?またきたの?」とあしらわれるそうです。

いろいろと難しいことがあって派遣可能職種はかなり制限されているというのはわかるのです。わかるのですが。

でもね、汚れまくり、尿石つきまくりの和式便器の中で、じゃぶじゃぶした布モップで床を拭くのは、どうなのかなってずっと思っています。

(飲み込めないとおもうから、もう一度説明するとね、日本ならモップを使うとき、バケツでじゃぶじゃぶして、ローラーで絞って使うよね。あれのバケツの代わりが和式便器なの。ローラーはないの。一応水洗トイレだけど、水流は雑な感じなの。)

2019年9月6日 選り抜き協力隊日記
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【一言メモ】
どうやら、体調不良に引っ張られて、ちょっと落ち込んでいるようです。それにより、多方面に対して失礼なことも書いていますね。本当に本当にすみません(こういうことがあるので、ブログを開設するのを恐れていました)。
Facebookを読み返してみても、コメント欄の励ましが暖かく染みます。

“言いたいことを飲み込まなくても言ってみていいんじゃない色々試行錯誤して自分の気持ちいいペース、やり方を見つけましょ”

“個人的には、キラキラしてない方の隊員ライフの方がむしろ聞きたい”


このあたりのコメントにより、協力隊日記の方向性が定まったように思います。キラキラしてないのは得意なんだ。みんなはキラキラしているのを求めているのかもしれないけど、それは他の人に任せた瞬間です。

コメントへの返信を見ると『思っていることを吐き出すことは、スッキリする反面、自己完結できていない』ということで自己嫌悪も感じていたようです。今考えると、自己完結できるなんて、なんておこがましいことを思っていたのだろうと思います。
赴任した省には、日本人が両手の指で数えられるくらいの数しか住んでいません。「だから、みんなで協力して暮らしましょう」と声をかけてくださった方もいました。面識の有無にかかわらず、気にかけてくれた人がたくさんいたな、と振り返ります。ほんとうに有難いことです。お礼もできていません。

まれに「この国の隊員は強い」と評していただくことがあるのですが、その理由の一つは確実に“孤独”にあると思います。通信環境・隊員(日本人)同士の距離・国家権力そのあたりがキーワードでしょうか。これは、ちょっと言い過ぎたかも。みんなちがって、みんないい。
(「日本人がいないからって何?」という叱咤激励もありましたが、それはまた別の機会に書きたいです。あと他国の状況を聞くと、「近くに日本人がいればいいってもんじゃないな」、というのもわかりました。)



先日、訓練所時代の生活班同期がzoomミーティングをセッティングしてくださって参加しました。他国の隊員の家の写真を見て、「この時期(上記日記を書いていた時分)に見なくて本当に良かった」と心の底から思いました。住居に関しては、派遣国によりグレードの上限下限はある程度推測できますが、やはり一概にこれといった像はなく、結局のところ個人による差がかなり大きいのではないかと思います。
協力隊の掲げる『任地に溶け込み生活する』とは、一体どういうことなのかな、とふと思った次第です。

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