繋ぎ目があるのだとしたら
この街の楽しみのひとつに、朝食選びがある。
ビーフン、肉まん、具入りパンケーキ。
朝からたくさんの屋台が並び、見ているだけでも楽しい。
家の前の坂を下ると、ポツンと一軒の屋台がある。店主の女性は50歳くらいだろうか、後ろで髪をくくり、Tシャツにエプロンをかけている。屋根のない屋台だからか、よく日に焼けた肌。
地元民のたまり場のようなそこを、常々遠巻きに眺めていた。そろそろ近場で食事を済ませたいと思い、昨日ついに注文してみた。茹で上がった麺の上に、ザクザクと切った野菜やドクダミなどのスパイスがのせられる。
「辛くするの?」
「じゃあ、ちょっとだけ(にして下さい)。」
というやりとり。
今日、昼前に坂を下っていると、店主が店じまいをしていた。
「おはよう。昨日の、美味しかった。」
「そうかい、また食べにおいでね。」
毎日が少しずつ変わりながら、時計は夜12時を回った。窓の外は、秋の虫が鳴いている。
2019年8月28日 選り抜き協力隊日記
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