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使徒、襲来

この記事は、熱と怒りに浮かされながら書きました。ナウシカに登場する王蟲に例えるならば、もはや虫笛も効かないほどに真っ赤に染まっているといったところでしょうか。「支離滅裂とはこういうことを言うのね」、という部分をお楽しみいただければと思います。以前の投稿「夜に正体不明のおじさん二人組が家にやってきた」の詳細を含みます。

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熱、下痢、寒気、頭痛、ダルさ。
おそらく風邪なので、安静にしている。
しかし、こんな時にやってくるのがオッサンなのである。

日もとうに落ちている時間帯にである。
ドアと寝室の窓を叩き「いるのか!」と。
もちろん無視した。
静かにして。

あまりにうるさかったので、CP(活動先の私関連の担当者)に電話し助けを求めた。CPとおっさんたちの交渉が始まった。



聞くにこの者たち、“自分たちはこの部屋の前の住民である”と自称し、部屋のキッチンに埋め込まれたガス台を回収したいらしい。

「ちょっと何言ってるかわからないので日を改めて。ああ、月曜の○時からね、はいはい。」とおっさんをとりあえず部屋からぎゅっと押し出して扉を閉めた。一息ついた部屋には、おっさんたちの靴跡の汚れが付いていた。

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【写真左。ガス台は天板をくりぬかれて設置されている】

前入居者はすでに退職し、遠いところに住んでいるのは把握済である。ガスは開通してないので、持っていくのは構わないのだけれど、

・現時点でオッサンの身元がはっきりしないこと(教員住宅の誰からしい)
・ガス台を撤去したあとの穴を埋める気があるのか(コストを考えたらない)
・調理台の穴を埋めるための工事業者を家に入れたくない


このあたりがモヤモヤしますが対応している余裕がないので、CPや所属組織、活動校の校長を介して対応してもらうことになりました。すでに校長以外には報告済です。
……おっさんめ、もう家の中には入れないことになったのだよ。



ベタベタに汚れきったガス台を掃除した思い出が蘇る。

ガス台を撤去して作業台に使えるのなら悪い話ではないけれど、相手が無礼者だからなんだか検討したくない。だいたい「これでオッケー」と関係各所と詳細な物件確認をして入居しているのに、こういうのありなのかよと思う。無しやろ。



その後、彼らは約束の時間(月曜)に来なかった。こちらも誠意は捨てた。せっかくCPや同僚の先生にも時間を開けて待機してもらっていたのに。

前回家に上がりこんできた際、帰り際に「夜に一人暮らしの家にごめんね」などと言っていたが、また夜に来た。頭からクレゾールをかけたい。

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うえ。
頭が痛い。
強引さに押されてしまったけど、バカバカしい時間を過ごしたね。
写真はガタガタ震えた後の体温。
調べた通りの順序で症状が出るので興味深い。

2019年10月26日 選り抜き協力隊日記

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【一言メモ】
風邪ではなく後に別の病名がつくことになるのです。
「体調悪い時ってネガティブな事しか考えられないようになっている」と人から聞きました。この言葉は以降、度々思い返すようになりました。

このときは熱があるにも関わらず、寒くて体がガタガタ震えたり、ひどい頭痛と咳で眠ることすらできませんでした。心細い病床で私を支えてくれたのは、半日の時差があるやさしい同期隊員(ありがとう。迷惑かけたね。)と、無理やり接続したYouTubeでした。

きまぐれクックかねこさん、片付けトントンさん、ももと天さん、生活音を録音したチャンネル、星野源のANN。そのせつはありがとうございました。

この日やってきたおっさんたちの身元は今もわからないままです。熱で判断力が落ちていたとはいえ、なかなかに危ない橋を渡りました。ぜったいマネしちゃいけないやつです。余談ですが、派遣される国によっては自宅に他人を入れてはいけないというルールが有ります。

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