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カミングアウト、とは?

2か月ほど前に会社に、そして半月ほど前にこのnoteで、初めて自分がいま治療している病気・パニック障害のことを自分の言葉でお伝えしました。

※病気のことは、以下の過去noteをご覧ください。
 https://note.mu/sae8320/n/n9a175aab282a

2年もの長い月日を、自分で作った殻の中で抱え続けて、苦しみぬいたうえでの今があるわけですが、私は本当に周囲の人に知ってもらえてよかったなぁと思っています。本人としては、心配してほしくて話しているわけではないので(心配してほしいだけならもっと早く話してる笑)、いろいろな場面で配慮してもらえることはもちろん嬉しいし有難いのですが、それ以上に、世の中にこんな病気があるということをもっと近いものとして知ってもらうことに意味があると思っています。

外からは見えにくい病気であることとか、闘病中であってもできることはあるということであるとか。自分が経験していないことを理解するのは、難しい。でも、理解しようと勉強したり、少し調べてみたり、知ろうとすることはできると思うんです。

先日のNHK「クローズアップ現代+」でパニック障害の特集が組まれたとき、「周囲の人の理解を得るため、病気をカミングアウトした方が楽になる」という趣旨の話があがっていました。
「カミングアウト」っていう言葉は、すごく大袈裟だなとも感じたけど、自分が2年間抱えて誰にも言えなかったことを考えると、それくらいの重みのあることにも感じられました。でも、2年前の自分には、もっと早く打ち明けさせてあげたかったなとも、強く思います。打ち明けることで、自分自身ものすごく楽になったし、心身共に回復していったから。

カミングアウト【coming-out】
( 名 ) スル
自分が、社会一般に誤解や偏見を受けている(同性愛者などの)少数派の主義・立場であることを公表すること。アウト。カム-アウト。
出典 三省堂大辞林 第三版

2年間言えなかった理由を改めて考えると、病気である自分が情けなく感じていたり、仕事に対するプライドとか、いろんなものがあったように思いますが、やっぱり「周囲に病気のことを受け入れてくれそうな雰囲気がなかった」ことも大きかったように思います。別に周囲にいた方を批判しているわけじゃないよ。笑 ただ単に、社会がそこまで成熟していないんだと思う。

統計だけで見ても、100人に1人がかかる病気。お医者さんにかかっていない方や自覚できていない方も含めると、もっといると思うと、全然珍しくない。
それでも、どこを見渡しても、自分しかいないような気がして孤独でした。きっと、たくさんいたはずなのに、みんな言えていなかったのか、と思うと、もっと悲しくなりました。

カミングアウトっていう言葉は、今はLGBTQなどでよく取り上げられる言葉だけど、大きくは「社会一般に誤解や偏見を受けている少数派の主義・立場であることを公表する」ことに使われているんですよね。

病気でも性のことでも、いかに少数だろうと理解してほしい、受け入れてほしいと思う気持ちは同じはず。もちろん自分の意思で、言わない・言いたくないという選択肢があることは必須だけど、言いたいのに言えない、受け入れてほしいのに受け入れてもらえない、という雰囲気を社会が作り出すことによって、数だけで少数派と捉えられた人を締め出すのは、あまりに優しくない世の中だなと思います。

どんな違いも、「わたし納豆苦手なんだよね」「ジェットコースター怖すぎ無理~」くらいのノリで話せる世の中になればいいな。

やっぱり、著名人が社会に与える影響は、とても大きいです。
今日、同じくパニック障害を患っているKing & Princeの岩橋玄樹さんが、活動を一部再開するという発表がありましたね。岩橋さんが病気を公表することによって社会に与えた影響ってものすごく大きいし(もちろんいい意味で)、勇気づけられた人が数えきれないほどいるはず。私もその一人なので、感謝と尊敬の気持ちでいっぱいです。

以下、岩橋さんのコメント全文です。一部再開ということも、周囲の理解が欠かせないということも、とても正直で誠実で、社会に発信してくれてありがとうと思う言葉だったので、ぜひ読んでください。

休養期間中は、ファンの皆さまや関係者の皆さまにご迷惑とご心配をおかけしているにもかかわらず、たくさんの温かいメッセージをいただきましてありがとうございます。
 皆さまからのご声援を力に、現在、治療や課題に取り組んでおり、心身ともに快方に向かっています。
 改めて、3rdシングル「君を待ってる」より、一部活動を再開することになりました。まずは、今回、活動を再開することができたのは、待っていてくださるファンの皆さまや関係者の皆さまのおかげと心から感謝しています。
 すべてを元通りのペースに戻すにはもう少し時間がかかるかもしれませんが、徐々に現場に戻っていく中で、改めて仕事ができる喜びを感じています。今は焦るときではないと一日一日を大切に過ごしていますので、完全に活動を再開するまでお待ちいただけると幸いです。
 また、今回の休養と一部活動再開において、メンバーの理解を欠かすことはできません。僕がいつでも戻れるように、いつもその場に僕がいるつもりで活動してくれている5人に感謝の気持ちでいっぱいです。5人でKing&Princeを守り続けているメンバーの思いに応えるためにも、僕は必ずパニック障害を克服して戻ってきます。
 ファンの皆さま、いつも変わらぬご声援をいただき、ありがとうございます。これからもKing&Princeをよろしくお願いいたします。
                        2019年2月17日
                       King&Prince
                              岩橋玄樹

「生きやすい社会」を目指して、私も勉強を重ねたいと思います。

Sae

「誰しもが生きやすい社会」をテーマに、論文を書きたいと思っています。いただいたサポートは、論文を書くための書籍購入費及び学費に使います:)必ず社会に還元します。