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Prisoner Of LoveにPrisoner

急に宇多田ヒカルの曲を一気に聞き返している。

ひょんなことで久しぶりに「Prisoner Of Love」を聞いたら、改めてこの歌詞すごくない?!と感激してしまった。ハマると永遠リピする癖があるので、ここしばらくずっと聞いてる。高校時代に聞いた時も何があるわけでもないのに繊細で深刻で尊い気持ちになってたけど、その時の空気感も思い出す…。「ラストフレンズ」について学校でよく話したな。

「退屈な毎日が急に輝きだした あなたが現れたあの日から」

何か・誰かにどっぷり浸かっている時はこういった感情になるのかもしれない。しかもそれは人生で1度や2度あるかないかの数少ない出会い。ここさえよければ、他はもうどうでもいいや!みたいな。

自分の人生に光が現れた感覚、ほかの全てがどうでもよくなる感覚。希望はあるのに破滅的でもあるみたいな。

人生は長いし光の側に影はあるので、光が強ければ強いほどいつ失われてしまうのか不安になったり。冷静になった時に、一度手放した周りのものたちを取り戻してバランスを整えていくまでの心の負荷は凄まじい。

ベクトルが違う日常的な話だけど、「これは…好きだ…」と突然心奮うアイドルやコンテンツに出会ってしまい、寝不足になって生活を犠牲にしながらも過去の映像や動画や情報を漁りズブズブハマっていくときもちょっとこんな感覚に陥る。

のめり込めるものや人との出会いは、光でもあるけど、まさにPrisonerで抜け出したくても抜け出せない苦しさも伴うのかもしれない。

好きであればあるほどどんどんわからなくなったり、上手くいかないことが腹立ったり、他とのバランスが取れなくなったり、救われてきたからこそどうしてもすがってしまったり。

光と葛藤を伴いながらPrisonerになるのか、淡々とバランスよく健全に過ごすのか、難しい問題である。

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この曲のPVもすごく好き。宇多田ヒカルが実際に曲を作る時に使っている機材をもってきて、曲作りの様子を再現しながら撮ったらしい。

楽しそうだけど途中すごく葛藤している雰囲気や、特に途中でシャドウボクシングしたり腕立てしたりするところがリアルでいい。あと再現した部屋がオシャレすぎる。


人と人だけじゃなくて、ここでいうと音楽とか自分がのめり込んだものとの関係にも捉えられるのかなと感じた。
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Netflixで公開されてるライブ映像も最高。

歌はもちろん、宇多田ヒカルのフレンドリーさというか曲と曲の間のMCがあんまりにもフラットすぎてびっくりする。観客を煽るでもなくて、どこか会話しているような感じがすごい。

『Prisoner Of Love』を歌う直前までは、「周りの人がちゃんと見えるように、気を遣いながらあんまりカメラを高く構えないでね……今、ちょっと校長先生みたいだったかな?笑」と笑う。そこからスッと歌に入る緩急。堪りません。

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