呼吸法②

ポンタさんのビデオをきっかけに「呼吸法」という言葉が頭を離れずに過ごしていた時、

呼吸法を教えているというドラムスクールの広告をドラムマガジンの中から見つけた。

K's MUSIC ドラム人間科学!?

広告にはレントゲンの骨の手がスティックを持っている写真が載っている、、、。

「なんかヘンな広告だな!」

と思いながら見ていくと、

「ドラミング無料電話相談」と書いてある。

その当時、とにかくドラミングに思い悩んでいたので、

思い切って電話をかけてみる事にした。

「質問があるんですが、、、」と言うと、

「初めまして。主宰の小野瀬です!まずはレベルを合わせてお話した方がいいと思いますのでドラムの経歴などを教えて下さい。」

との事。

経歴と言われて、何を答えて良いのかわからず、とりあえず大学の都合で山梨に住み、

ドラムの仕事がある時は都内に出て演奏していると言うと、

「あ~最近流行りのアルバイトプロってやつね〜。」

うっっ、感じ悪い、、、。

でも、ドラムだけじゃ食べれてないし言い返せない、、。

気を取り直して、とにかく呼吸法について聞いてみた。

「横隔膜が動かない呼吸法は意味がないんですよ」

と小野瀬。

「お、横隔膜???」

その後も

「空気は圧縮されて初めてエネルギー化されるからそのためには横隔膜のどこを使う」とか、

「呼吸法にはモーラー奏法などの回転させるスティックワークがどうしても必要になる」とか、丁寧に説明してくれた。

でも、正直言って当時の僕には、身体の知識がほとんど無いためにちんぷんかんぷん(笑)

ポンタさんのビデオを見てもわからなかったのに、電話相談でできるようになるなんて、そんな虫の良い話は、やっぱりないんだなと思いながらも

説明は具体的だし、もし習いに行ったら色々変われるんじゃないか、、?

そんな気になり始めていた。

他にも質問したい事はありますか?って聞かれたので

ドラムの仕事で大御所のプロのベーシストの方と演奏した時の「自分の迷い」を質問してみた。

すると、自分が感じた事を上手く言葉にしてくれ、さらにヒントになるような答えをもらえた。

小野瀬の口調は丁寧なのだが、迫力を感じる説明で

この人はコワイ人なのかな?と感じた。

まあ、良くとらえれば情熱的と言えなくもないけど(笑)

僕は今までドラムを習っている人をなんとなく見下していて

自分がドラムを習う事には否定的だったが、

「たった一回だけならレッスンを受けてみるか?」と思い

金額を聞いてみると、想像していたより高い、、。

若くてお金もない自分には気合いのいる金額ではあったが

「演奏力を上げて、自分の演奏で聴く人に喜んでもらいたい!」

当時はそれ以外の事は考えられず

「このまま、何を練習していいのかわからない状態を続けて、時間を無駄にしたくない!」

という気持ちから入校を申し込む事に決めた。

当時、K's MUSICは埼玉県の蕨市(わらびし)にあり、都内の主要な駅には良く行っていたが、

山梨から行く自分には蕨の漢字が読めず、

JRの路線図を図形を見るようにして探し当て電車に乗った。

当時はスマホもないし、駅員さんに聞きながら遅れないように向かったら約束の時間よりも30分以上も早くK's MUSICに着いてしまった。

住宅街にある普通の家っぽい感じの建物だ。

「思ってたよりもショボイな、、、」

と思いながらピンポンを押すと、後に先輩講師となる喜納が出てきた。

「すいません、早く着いちゃったんですけど」

と言うと

「あ、大丈夫ですよ〜」

と気さくに迎えてくれた。

エントランスを入るとすぐに大きなガラスのスタジオの扉があり、

中を覗いてみるとレッスンが行われている。

「今、教えてる人が小野瀬って人か、、、」

と思いながら生徒の方をを見ると

スピッツのドラマーの崎山龍男さんに見えたので見間違えたかと再度覗き込むと、

崎山さんと目が合ってしまい、その瞬間、崎山さんから強い視線で睨まれてしまった、、、。

一気に緊張が走る。

「なんだかスゴイとこに来てしまったな、、、」

ただでさえ緊張していた中、さらに緊張感が増し、

レッスンが始まろうとしていた。

(次回に続く)


ドラムスクール、K's MUSICのHPはこちらです→ https://www.ks-music-drum.com

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