私は要らん
此の所新興宗教の話で喧しいが、私が知る限りずいぶん昔からあった話だなと感じている。
実は結婚して子供が生まれてすぐの時期に、夫の母が夫に「お金を貸してほしい。」と言ったことが有る。
その頃義父は脳溢血で半身不随だったのですが、だからと言って死に直結しているわけでなく、私も子供を産んだばかりだったので、同じ市に住んでいても偶にしか顔を見なかった。
夫は会社の社長が義父だったので、仕事の話もしなければならなかったから、私よりはまめに実家を訪れていた。
そんなある日、義母(私にとっては)が借金をしたいと言ってきたと帰ってきて言った。
「借金?なんで、幾ら位いるの?」事情が分からず、私の頭は????だった。
「なんかな、おふくろに言わすと、壺買わんと○○(長男の名)の命が無くなってしまうと言うことやったわ。」と夫。
「貸さへんやろ。」と答えて夫の顔を見る。
「親父の給料から少しずつ返すで500万借りたい言うとったわ。」これは困った。
確かにその時期社長だった義父の給料はある程度あったけど、これまで貯金が有ったら、借りるなんて言わないでしょう。
貯金が全然なかったんだ、それで会社から借りるって大丈夫じゃないんじゃない。
「会社で貸すつもりなの?」と嫌そうに答えて、彼の言葉を待った。
「会社ってそんなに簡単にお金貸したりできへん、まして壺なんてあかんわ。」良かったちゃんと考えてくれて。
そんなので会社のお金を借りたりしたら、大変なことになるのだけは私でもわかる。
「貯金全然なかったんかな?」と私が言うと「学費や結婚に金がいったで、貯金どころやなかったんやろ。」
「ちゃんと断ってな、○○がそれで死ぬとか言われても、保証なんてないんやから、壺買わんと死んだんならそれは仕方ないって言うたって、でもな神様は人間を罰したりせえへんで、罰と思うのは人間の方なんやから。」私が諭すように言うと、夫が「おふくろに言っとくわ。」と答えた。
其の後、息子の為に朝鮮人参の液体を買ったから、絶対に飲ませるようにと言われたが、赤ちゃんに朝鮮人参?と考えて飲ませなかった。
それこそ体の調子が悪くなって、あかんやろ。
今思うと(その頃も思ったけど)あれは新興宗教の手なんだよね、きっと夫が会社の社長をしてるって言ったので、お金を自由に出来ると思ったんじゃないかな。
その息子ももう37歳と言う事は36年前の事だったんだな、そんなに前からあの宗教は有ったんだ、長くあるんだなー、私は要らんけど。
文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。