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【霜降の養生】「肺」と「大腸」の関係/心身を騒がせず穏やかに過ごしましょう

急に寒さが増したように思います。

二十四節気は
本当に理にかなっていることを
シリーズを更新しながら感じています。

冬も間近のこの時期。
養生をして
心穏やかに過ごしましょう。

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食でココロとカラダの不調を癒やす【二十四節気の食養生マガジン】サイトマップ

植木もも子さんプロフィール
管理栄養士、国際中医師、国際中医薬膳管理師。「おいしく楽しく賢く健康に」をモットーに、料理教室や雑誌、書籍などで、おいしい料理を発信中。
共著に『増補新板 薬膳・漢方食材&食べ合わせ手帖』(西東社)、著書に『からだを整える薬膳スープ』(マイナビ)、『いちばんやさしいさかな料理の本』(日東書院)、『気になる不調と悩みを改善 薬膳のつくりおき』(家の光協会)、『秘密の食材・かんたん調味料 ①赤しそ 免疫力をサラリと上げるおうちごはんKindle版』他多数。
新刊に『からだ整う 薬膳サラダごはん』(新星出版社)

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🌈「霜降」の時期の薬膳について、
養生について、
もも子先生に伺います! 

Q .今の時期のことを教えてください


霜降は秋の最後で10月の23~24日頃になります。

この頃になると暑さは遠退き、
ようやく寒くなってきます。

特に雨が降った後には
気温が急に下がることがあります。

そのため露が凝縮して結び、
霜になると考えます。

北の国では霜が降りる前に作物の収穫を急ぎ、
とても忙しいときです。

この気候の変化の情報を
しっかり収集しておくことが大切ですよ。

気温の変化に応じて
すぐに対応できるようにしておきましょう
😊

Q .養生について教えてください

霜降の時期は秋が深まります。

秋は
五行の「金」に属し、
五臓は「肺」になります。

秋は「肺」が頑張る時期。
急に寒くなるこの時期、
外気を直接取り込む「肺」の養生は
とても大切です。

寒露のときも話しましたが、
人の機能も自然とともにあり、
体内のさまざまな働き(主に新陳代謝)が
低下してゆきます。

特に体表と「肺」の呼吸機能に負担がかかるのです。

Q.「肺」についてもう少し詳しく知りたいです


「肺」の働きは、外気から「清気」を取り入れることです。
この「清気」は、肺の働きによって
「宗気」と呼ばれる、
呼吸を助け、血液の循環を助けるものになります。

全身の生理機能を正常に維持するためには
「気」と「血」の働きが順調にめぐることが大切でしたよね。
これをサポートしているのが「宗気」です。

ここで一旦、五行配当表をみてみましょう。
(ももこさんオリジナル資料)

秋は、五行の「金」に属します。
同じ横の行に、
「肺」「大腸」「鼻」「皮」「息」「燥」とありますね。
同じ行にあるものは、深い関連があります。


「肺」と「皮」
「肺」は、「皮膚」の機能を維持する働きもあります。
皮膚には外からの邪気が入らないような、
防御する作用が働いています。

この働きをする「気」を「衛気」と言いますよ。

中医学では皮膚の異常(皮膚のつやが無い、乾燥肌、多汗。寝汗、発汗異常、風邪をひきやすいなど)は肺の病気とみなします。

「鼻」
また、外邪の侵入を防ぐのは「鼻」の粘膜、
口から消化管に続く粘膜です。
これは腸管まで続いています。

「大腸」
「肺」と「大腸」には深い関わりがあります。
中医学では、
便秘の治療にまずは「肺」から治療することがあります。
肺の病気には腸内環境を整えることなどをします。

「バランスをとる機能」も
また、肺には、ほかの臓腑の働きが調和して行うように
調整する働きもあり、
肺の機能が低下すると他の臓腑のバランスも崩れやすいのです。

Q .「肺」の養生は大切ですね・・・具体的にはどうしたら良いですか?

空気がますます乾燥してくるので、
感冒、咳に注意します。


ですが、今年はコロナで外出時はマスクをすることが多く、
冷たい外気の侵入による感冒にはかかりにくくなっています。
また、菌の侵入を防ぎ、感冒の感染者は減っているようですね。

ただし、
気管支炎や喘息などの持病がある人は
油断せず、この時期の養生を特に意識する必要がありますよ。

養生については、前回の記事を参考にしてくださいね

また、秋は「収斂(しゅうれん)」の季節です。

特に晩秋は、
木々は葉を落とし、
草花は枯れてゆく、
粛殺の様相になります。

人も心を騒がせず、
思いを秘めて静かに過ごす
ことを
古典の書物では勧めていますよ。

なぜかといえば、
心身を騒がせると
元気の源である「陽気」が
発散されてしまう
からです。

汗のかきすぎはおすすめできません。
プロのアスリートの方は別ですが
一般の人は激しい運動ではなく
自分の体力を温存できる範囲での運動
が良いでしょう。

Q  .乾燥対策と、陽気の消耗に注意、ということですね。
他にはありますか?

肺の養生をするには、
関連する臓腑の養生も有効でしたよね。

肺と関連の深い「腑」は何でしょう。

再度、五行の図もみてみましょう。
(ももこ先生オリジナル資料)



肺と関連の深い「腑」は「大腸」ですね。

「肺」の養生のため、
大腸のケアをすることが大切
ですよ。

特に、
便秘があると「肺」の働きを阻害するので
お腹のマッサージをしたり、
食物繊維の多いものを摂取することで解消しましょう

また、「肺気」(つまり、上で出てきた宗気)
を損傷すると、
冬に頑固な泄瀉(下痢)が現れることもあります。

泄瀉は、栄養を摂れずに排出してしまい、
体力も消耗します。
特に幼児、高齢者は内臓の働きも低下するので注意が必要です。

Q .食養生についても教えてください


秋の食養生は、
「肺」を乾燥から守ることと
養陰」つまり「陰を養うこと」です。

「陰」は、今までもたびたび出てきましたね。
体内における「陰」の大切な働きの一つは、
体内を潤わせることです。
陰が不足すると、体内が乾いた砂漠状態になってしまいますよ。

寒露でも紹介した、
体を潤す食材、
水分を守る食材など、
潤いを補充できる食材を
引き続き食卓にのせましょう

今回も再度、紹介しますね。

今年も残すところ2か月あまりです。
健康で年末年始が過ごせるように今が大事な時期。

秋の味覚を楽しんで健康にお過ごしください😊

ここからは有料です。
体を潤す食材
●収斂(しゅうれん)作用があり、体内の水分を守る食材

は、大切なので再度載せます。

この時期にとりたい食材の、簡単で美味しいとり入れ方

●じぶん薬膳
蓮根、ごぼう、人参、玉ねぎ、鶏肉の炊き込みピラフ
の美味しい作り方

をお伝えします!

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