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バイクが大好きだった…


今日は、大好きだった
バイクのことを書きます。

よかったら、お付き合いください。

*****

高2の夏、クラスメイトが
潮岬のキーホルダーをくれた。

潮岬…
本州最南端の半島だ。

私は、突端に立つ白い灯台を見たくなって
時刻表を指でなぞってみた。

けれど、どんなに朝早く出ても
電車では日帰りで帰れない…

気に入った景色を見かけたら
自由に止まれたらいいなと思った。

自転車は大変そうだな。
自転車にもう少しスピードがつけば…

そうだ。バイクだ!!

というわけで、高2の夏に
『バイクで潮岬に行く』
という夢ができた。

大学に受かったら、免許を取ろう。

頑張って勉強した。
バイクのために。

大学、合格発表の日。
自分の番号があるのを見た瞬間
「これで免許が取れる!!」と
帰り道に、そのまま教習所に行って
申し込みをした。

晴れて、大学入学。
すぐに教習所に通い始めた。

教習所で学科の勉強をしていた時。
教官が、教室の生徒たちに
「免許を取ろうと思った理由は?」
と質問をした。

順番が来て
「風を感じたいから」
と答えたら
教室中が静まり返った。

私は大真面目だったのに…

そして、ひと月ちょっとで免許を取得。

GW明けに、免許を手に
改めて大学を見てみると
みんな友だちができ、サークルも決めて
私1人、誰も知り合いがいなくて
ぽつんとしていた。

私は、バイク屋でバイトをすることにし
スクーターで大学に通い始めた。

「何に乗ろうかな…」

バイク屋で整備をしているお兄さんが
バイクを手放すと聞き
「譲ってください!」とお願いした。

「これを発進できたらな。」

ぶっきらぼうに話すお兄さんの前で
恐る恐るクラッチをつなぎ
バイクを無事スタートさせた。

それが、私の最初のバイク。
RZ250だった。

じゃじゃ馬と言われるだけあって
RZはピーキーだった。

でも、扱いが難しいと言われても
全然気にならなかった。
全部が大好きだった。

大学に通いながら、帰りに
隣の県まで足を伸ばしてしまい
毎日100キロ近く走っていたこと。

初めて、峠道を走り
三速のまま減速だけして
コーナーに入ったら
アクセルを開けても加速しなくて
そのまま転んだこと。

翌年の春に、念願の潮岬に行ったこと。
夏には、西日本を1人で回ったこと。

どれも、忘れられない思い出だ。

20歳までに限定解除をするんだと
試験場に通って
何回目で受かったんだっけ?

そのうち、私はもっと上手くなりたくて
サーキットに行きたいと思うようになった。

テニスを練習する時は
テニス場に行くでしょ?
野球はグランド行くよね?

バイクも同じ。
車がいなくて人が出てこないところで
思い切り走らせてみたい。

初めて、サーキットに行った時は
嬉しくて嬉しくて
借りたスクーターで
何度も何度もすっ飛んでいって
フォークを曲げてしまった。
(修理代、払いました…)

怪我をするから…と
よくわからない理由で
皮つなぎも買った。

スクーターで練習を始め
駐車場でコースを決めて
毎日走った。

膝が擦りたいのに
女性用の皮つなぎは、膝パッドが無い。

まな板を買ってきて、切って
ガムテープで膝にくっつけた。
まな板を擦って走るために。

何度も何度もコーナーを曲がり
初めて「こつッ」と音がして
まな板の端が削れた時の嬉しさ。

毎晩、こっそり出かけて
駐車場で走っていたなぁ。

お父さんに見つかって
ふりほどいて出かけたら
帰ると玄関のチェーンがかかっていて
入れなかったことがあった。

すぐに2階の自分の部屋の窓の鍵を外して
翌日の夜からは、脚立をかけて
2階からうちに入った。

やんちゃな男の子たちと混じって
走っていたから
女だとわからないように
ヘルメットは取らないようにしてた。

真夜中の帰り道。
あまりに眠くてフーッと眠気が来て
ハッと目が覚めること数回。

次にハッと目覚めたら、目の前は壁…
道が軽く左にカーブしていて
右の家の壁に正面から
ぶつかる寸前で目が覚めた。

フルブレーキをかけながら
壁に激突…

ブレーキを必死で握ったのと
あまりスピードが出ていなかったので
吹き飛ばされることは無く
壁に真っ直ぐぶつかったので
倒れることも無かった。

ただ、フロントフォークが
手前に入ってしまったので
ちゃんと走れなくなってしまった。

真夜中過ぎて
助けを求めることもできなくて
うちまでの数キロ?十数キロ?を
ゆっくりゆっくり走らせて帰った。

RZは、最高の相棒だったけど
マフラー根元のネジが
振動で緩んできたり
整備に不慣れな私が長距離走るには
不安が多くなってきて
次のバイクに乗り換えることにした。

次のバイクは、雑誌を見て即決!
スズキのガンマ250のネイキッド。
ウルフというバイクだった。

RZが2ストロークだったので
それに慣れてしまい
次も2ストに乗りたかった。

RZが好きすぎたので
RZと同じネイキッドの黒を選んだ。

ウルフになると
峠道に行くようになった。
スクーターではなく
250で膝を擦りたかった。

RZは、すぐに
マフラーを擦ってしまうから
あまり倒せなかった。

バイクを上手く乗ること
=膝を擦ること

どうして、そう思ったのか?

今となってはよくわからないけど
とにかく私は膝を擦って走りたかった。

そして、膝が擦れるようになり
雑誌に投稿して写真を載せてもらったり…と
バイクで青春を謳歌していた。

*****

潮岬の話や西日本一周の話など
思い出はたくさんあるので
また、書いてみようと思います。


バイクは本当に好きでした。

「また乗りたいな…」と
久しぶりに思いました。

楽しかった思い出は
《楽しかった》という感情を
思い出させてくれますね。

久しぶりの感情に
とても嬉しくなりました。

楽しかった思い出って良いですね!



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